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とある飼育員の不幸 − 旧・小説投稿所A

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とある飼育員の不幸

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「うぐっ!?」

綺麗なピンク色をした蛇の口内
今から行う捕食行為に備え、奥の肉洞が拡張していく様子が鮮明に写し出された
粘液が細かい糸を引く様子もしっかりと飼育員の目に焼き付けられた

肉が敷き詰められた口内が肉薄したと思えば…


はぐっ!!


飼育員の視界が暗闇に覆われた

顔にニュルッとした感触が伝わる
その直後に柔らかい肉の感触、生臭い蛇の体内の臭いが彼を襲う

しかし一々反応する程余裕が彼には無かった
彼の体はゆっくりと奥へ運ばれていく
その際にニチャニチャと粘着質な音が耳元で谺する

ついに腹部まで呑み込まれた
外では拘束から解放された足がバタバタと暴れている
そんな抵抗を嘲笑うかの様に大蛇は天を仰ぎ、飼育員を奥へと滑らせた


ごくり…


蛇が嚥下の音を出すわけないが、飼育員には聞こえた気がした
薄茶色の体には飼育員と同じ大きさの膨らみが1つ出来上がっていた

「んんん!!!」

巨躯の持ち主の割には中は悪態をつく余裕が無い程の狭さだった
光の無い暗闇に包まれた肉洞
その中で飼育員は気を付けをした状態で、もがいていた

しかし衝撃は全て柔軟性に優れた胃壁が吸収されてしまい、無駄な足掻きとなった
それでも彼は自身の体を揺さぶり、蛇の体内で暴れ続けた


ぐちゅっ……にちゅっ…


肉壁は彼をまだ奥へと送り込もうとしていた
上下から圧迫されたかと思えば、次は左右からの圧迫
粘ついた蛇の濃厚な体液を全身に塗りたくられ、胃壁で揉まれる

上下、左右と交互に繰り出される圧迫に息苦しさを覚えていた
何とかして胃壁を押し返そうと試みるも腕は肉壁に埋もれ、胃壁との間に糸を引く


ぬちゅっ…くちゅっ…にちゃぁぁ…


6メートルもある大蛇の肉洞は永遠を感じさせる程長かった
奥へ運ばれても胃壁は相変わらず、粘液を滴らせながら飼育員に張り付いてくる
もう彼の体は蛇の体液そのものだった

爪先から頭まで生臭い体液に覆われている
僅かな酸素を求め、開いた口の中にも粘液が流し込まれた
彼が動く度にクチュクチュと嫌らしい水音が谺する

運搬作業も終わったのか、もう奥へ進む事はなくなった
代わりに胃壁が彼を揉みほぐす


くちゅっ…ぎゅうぅぅ…ねちゃっ…ぎゅうぅぅ…もみもみ…


「あっ…はっ…た、助けて…」

あらゆる方向から胃壁が迫り、彼を拘束する
そして粘液を擦り付けるように胃壁が上下に動きだす

もう粘液は充分だ。そう思った彼に戦慄が走る
彼に塗られてるのは、ただの体液ではない

「!?あぁぁぁ!!!」

彼の服が溶けていく
胃液が分泌され始めたらしい
どうやら獲物を血肉へと変える為の作業――消化が始まったようだ


さっき気になったので蛇の捕食一覧を見てみました
…意外と少なかったのね、蛇ってw

皆も蛇の捕食書こうぜ★
結構楽しいですw
<2012/05/18 22:34 どんぐり>
消しゴム
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