楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル
【保】街の路地裏 − 旧・小説投稿所A

RSS | 感想 | TOP
【保】街の路地裏

|<< < 1 / 1 > >>|

ある街の 誰も通らないような路地裏・・・
逃げまどう小さな小型ポケモンと、それを余裕の表情で追いかける大型ポケモン・・

「・・! い、行き止まり・・・」

逃げていた一方が 高いレンガの壁の前で足を止めた・・

「ヘヘ・・何だ? もう終わりかよ・・・
 もうちっと楽しませてくれると思ったんだがなァ・・・」

おもむろに垂れた涎を 太い腕で拭いとり、その大型ポケモンはこう続けた・・

「さて、んじゃそろそろ オレの昼食になってもらおうか・・
 お前が逃げたせいで 余計に腹が減っちまったしなァ・・」

「・・う・・くっ・・・くそっ・・・」



時間をさかのぼること数十分前・・・

小型ポケモン・・コラッタは、この白いレンガに包まれた古風な街に住んでいた・・
しかし生活は非常に厳しく、
食べ物は盗みを働いて盗ってきた物、寝床は 敵の少ない太い木の上といったところだった・・・

そんなある日・・お腹を空かせて 誰も近づかないような薄暗い路地を歩いていた・・そのとき・・
コラッタの目に飛び込んだのは、大きく膨らんだ木の実袋・・
しかも都合のいいことに、その持ち主・・大型ポケモンのバンギラスは ベンチに横になりよく眠っているようだ・・・

コラッタは すぐさま駆け寄り、バンギラスが眠っていることを確認すると、袋の中の木の実を これでもかと頬張った・・



袋の中の木の実を見事に平らげ、満腹になったコラッタは すぐにその場を立ち去ろうとした・・・しかし・・

「・・なかなか度胸のあるネズミじゃねぇか・・・」

後ろからの不気味な低い声・・・
コラッタの背筋が一瞬にして凍りついた・・

恐る恐る ゆっくりと振り向くと・・・
案の定 あのバンギラスが 想像通りの怒り面で上から睨みつけていた・・

「おいネズミ、お前の腹に入ったその木の実の分、
 お前が オレのメシになってもらうぜ・・・」

「・・なっ!? ふ、ふざけるな!
 だ、誰がお前になんか・・・!」

コラッタは振り返り、持っている力のすべてを使って走り出した・・・






そして無我夢中で何十分も逃げまくった結果が 現状況というわけだ・・

「へへ、あきらめな・・、オレの木の実を盗った罰だ・・、
 おとなしく食われろよ・・・」

「な、何が罰だ・・・お前 ただオレを食いたいだけだろうが!」

必死に声を荒げ 強気な言葉を発するコラッタだが、
その反面、体中は大きく震えていた・・
いくら意地を張っても 絶体絶命の状況には変わりはない・・・
一方のバンギラスは相変わらず いやらしく不敵な笑みを浮かべている・・

おもむろに その吊り上がった口がゆっくりと開いた・・
それと同時に、巨体の業とは思えないほどの早業で 小さな体を片手で掴み上げた

コラッタの目に映る景色は一瞬にして、粘液質な空間と その奥へと続く暗い穴へと変わった
自分に起こっている状況がわかると コラッタは無我夢中にもがき始める・・
しかし、大きな巨体の腕に収まった小さな体によるその行動は まったくの無意味であった・・・

そうこうしているうちに、コラッタの小さな体は 首から下までバンギラスの大口に収まってしまった・・
コラッタは焦り 必死にもがくが、生温かく気持ちの悪い感触が体を這いまわるだけで、やはり意味がない・・
それどころか 粘液質な唾液が体中に絡みつき、動きまで制限されていく・・








数分後・・・

コラッタの体は すっぽりとバンギラスの口内に収納され、たっぷりと唾液を塗りつけられてしまっていた・・
ぬるぬるぬちゃぬちゃとした気持ちの悪い感触に加え、生温かく 何とも言えない臭気が漂った口内・・・
最悪の拷問部屋に閉じ込められ、なすすべなく ただ飲み込まれる時を待つしかない空間・・・
その中で舐めまわされ続けた彼の綺麗に整っていた毛並みは、見る影もなくべっとりと垂れ下がっていた・・

「さ、そろそろ飲み込むぜ・・・」

「や・・・・やめ・・・・・ろ・・」

力を出し切ってもがき 疲れ果てた小さな体は、かすれた微量の声を出すこと以外 もう何もできなかった・・・
バンギラスはその哀れな体を 何のためらいもなく、助けを求める微声とともに

・・・ゴクリ・・

・・と、彼の全てを飲み込んだ・・・・







ぷっくりと膨れた腹を撫で、巨体は その場を後にした・・・



路地裏には
こぼれおちた大量の涎と、
空っぽになった 木の実袋だけが残っていた・・・





END


<2011/12/22 22:18 闇銀>消しゴム
|<< < 1 / 1 > >>|

TOP | 感想 | RSS
まろやか投稿小説すまーと Ver1.00b