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堕ちるプラズマ - 旧・小説投稿所A
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堕ちるプラズマ
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ごくん………♪
「むぐっ……むうむぅぅぅ………!!!」
軽やかに響く嚥下の音……
ルギアのすらりと長い首にできた膨らみは、もごもごしながら落ちていった。
「フフ………悪くはないと思うがな?」
~~~
グニョグニョ………ドチャプッ…
「むごぉ…………うぐっ…くそぅ…」
噴門との格闘に負け、比較的広々とした空間へと堕ちたゲーチス。服はベトベト、髪はネトネト、おまけに3体分の唾液で動きは制限されていた。
降り立った(落ちた)所はぶよぶよとしており、しばらく動かないでいると勝手にズプズプと沈み込んでしまう程の柔らかさを持っていた。恐らく上下左右どこでも一緒だろう。
ゲーチスは汚らわしい自分を嫌悪しながら懐に手を入れ、使えそうな物を探し始めた。
何故ならここは胃袋。ゲーチスもここで何が行われ、どうされてしまうのかも知っている。
ドラ○もんのように道具を取り出し、漁ろうとしたその時……………
ぐにょぐにょ……
「…!!あっ……」
人間という贅沢な餌を感知した胃はゆっくりと動き始め、ゲーチスをとびきり温柔な胃壁で包みだす。広々とした空間は瞬く間に消えさり、ドクドクと脈打つ壁がふにゃふにゃの体に張り付く。
「ぐむぅ…!!ま、まだだ……まだ……」
自分を優しく眠らせようとする肉壁に耐えながら、懐に入っていた雑袋に手を突っ込む。袋の中にまで粘液が入りこんでいた。
しばらく袋をまさぐり、こんな状態ではガラクタにしかならないものを沢山取り出した。タウンマップ、鍵束、ハッカキャンディ、王冠………
投げすてた王冠が遠くの膨らんだ肉に当たり、ジュッと半分程溶けた。早くなんとかしなければ、今度は………
ぐにょむん…ぶにょおぶにょお…むぎゅむぎゅ…
「はぅわ……だ、出せ……出して…くれ…」
容赦なく降り注ぐ唾液の嵐。山のように大量の胃壁に顔が強制的に埋められ、全身を逃がさず愛撫。少しでも抵抗し離れていく雑袋に手を伸ばせば、すぐさま柔らかい肉に潰される。
上も下も右も左も、もう柔肉しか見えない。
唾液でどす黒く染まってしまったローブから、宝がそれぞれこぼれおちた。ハッと目を見開き手を伸ばすが、その時にはもう全ての宝は、ここよりもずっと胃肉が多く、恐らくこの胃で一番危険で柔らかい所に沈んでいきってしまった後だった…
「わ、渡さん……それだけはあーーー!!!!!!!!!!!」
ゲーチスは揉みこむ胃壁を力ずくで振り払った。そのまま脚が沈んでいくのも構わず、とにかく爆走した。手を伸ばし、いま正に沈んでしまおうとしている銀色の羽を掴む。
そして濃厚すぎる肉地獄の中に手を突っ込み、残りの秘宝も全てひっつかむ。
ギュッ………ズボ…ズププ…
「えっあっ……待て…」
掴まれたのは、自分だった。胃液を精製している壁に腕が入り、抜けなくなってしまつた。ゲーチスは先程抜け出したように全力で引っ張ってみるが、足場が不安定なためか効果はなかった。
ギュムリ……ぬちゃあぬちょぉ……
元気に蠢く胃壁から垂れ落ちる透明な液体。その監獄に今、何の役にも立たない宝を持ち、ゲーチスは食べられようとしていた。
「……離すのです………いや……やめろ……」
ズボッ…!!…グニャン♪
「あっ……………」
一度入ったら溶けても出られない胃液フェスティバルに、ゲーチスは倒れこんでしまった。
<2011/05/15 14:56 ロンギヌス>
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