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【保】神々の戯れ〜散々な海外旅行〜 − 旧・小説投稿所A

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【保】神々の戯れ〜散々な海外旅行〜

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「あーあ、私がお母さんみたく火を吹けたらなぁ」

水神は恨めしそうな目つきで胃壁を睨み付ける。

「あっ、そうだ。水の檻を作ってコイツを閉じこめるのはどうだ?水神の十八番だろ、あれ」

「フェンリルなら私の妖術を軽々と突破しちゃうよ」

「フェンリル?あいつフェンリルってのか」

「月夜兎は知らないんだね」

フェンリルを知らない月夜兎に水神は教えてやった。

「……ふーん。まあ要するに超巨大な狼の化け物ってわけね」

「しかもただデカいだけの独活の大木ってわけでもないから厄介なんだよね」

「……面倒なのに絡まれたもんだな。仕方ない。あれ使ってみるか」

月夜兎は鞄をゴソゴソと漁り始める。

「何か手があるの?」

「はっきり言って通じるかは知らん。だか試す価値は大いにあるぞ」


「クソ、あの野郎どこにいるんだ?」

その頃フェンリルは自分を殺した奴を追い求めていた。
もちろん復讐のためだ。

「……ウグッ!」

それは突然のことだった。
経験したことのない苦痛がフェンリルを襲ったのだ

フェンリルはその場に倒れ込んでしまう。

「何なんだ、コレは?ゲホ、ゲホ!カハッ……!」

そしてとうとうフェンリルは嘔吐してしまった。
胃液と共に月夜兎と水神が地面へと放り出される。

「無事生還、と」

「やった、出れた……。月夜兎サイコーだよ!」

水神は月夜兎に抱き付いた。
もちろん力加減はちゃんとしているので、月夜兎は水神に身を任せる。

「それにしてもあの玉ねぎには何か細工がしてあったの?」

水神は不思議そうな顔をして聞く。
実は月夜兎がやったことというのは、玉ねぎを胃の中に置いてきただけだったのだ。

「玉ねぎってのは、犬にとっては毒なんだ。いくら図体がデカいといっても、やっぱりワン公はワン公なんだな。まさかここまで効くとは思ってなかったけど」

月夜兎はしみじみと言う。

「なんだかなぁ。まあいいか。早く逃げ−−」

水神の体が吹っ飛んだ。

「えっ……」

月夜兎は呆然とした面持ちで水神が吹っ飛ぶのを見守るしか出来なかった。
水神は巨木に叩きつけられ、巨木が大きな音を立てて倒れる。

「水神!」

月夜兎は水神のもとへ駆け寄った。

「月夜兎後ろ!」

水神は悲鳴のような声を上げて後ろを指さす。
ハッと後ろを振り向いた月夜兎が見たものは、月夜兎に前脚を振り下ろそうとするフェンリルの姿だった。

「よくもやりやがったな!」

フェンリルは怒りに身を任せて振り下ろした。

「くっ!」

月夜兎はすんでのところで回避する。

「ちょこまかしやがって。だったらまずはこいつからだ」

フェンリルは水神に足を乗せ、体重をジワジワとかけ始めた。
水神が苦悶の声を上げる。

「こっちがちょっと優しくしたらつけあがりやがって。楽に死なせないからな」

フェンリルは恐ろしい形相で水神の顔を舐める。
先ほどとは明らかに違う恐怖が水神を襲った。

「月夜……、兎……」

「あんなちっこい兎モドキに何が出来る?」

「こんなことぐらいかな」

フェンリルの横腹に強い衝撃が走る。
それは月夜兎の一撃であった。




<2011/12/05 23:12 とんこつ>消しゴム
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