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【保】特生3課〜東京危機〜 − 旧・小説投稿所A
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【保】特生3課〜東京危機〜

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■時間は少し遡って再び視点はコタロウ巡査


ヘリの音が聞こえてきた。
オイラは今、皇居のお堀に身を埋めるようにして待機している。
カムフラージュのために青いビニールシートをかぶった状態で。

『来たぞ!』

「ガァァアアァーーッ!!」

オイラは咆哮を上げてビニールシートを払いのけ、上空のヘリに目がけて跳躍する。
そのまま何度か羽ばたき、ヘリと同じ高度に到達。
ローターに巻き込まれないようにヘリを掴み、羽ばたくのをやめた。
オイラの巨体にヘリの推力がかなうはずがない。
ヘリとオイラは一緒に落ちていった。

「捕まえたぞこの野郎!」

オイラは必死でヘリを掴み、逃がさないようにする。
しかしローターが危なっかしい。
そこで近くにあった街路樹を引き抜いて、それをローターに突っ込んだ。
バキバキと凄まじい音を立て、しばらくするとローターは止まった。
それを見計らってヘリを乱暴に地面に置く。
オイラはコックピットのガラスを叩き割り、中にいたテロリスト二人を器用につまみ上げた。

「散々暴れ回ってくれたねぇ」

オイラは二人を舐め上げた。

「色々と大変だったんだよね。あんたらのお仲間さんに対戦車ミサイルで攻撃されるわ、このクソ寒いのにお堀に身を浸からせて長い時間待機させられてたオイラの苦労分かる?分からないよなぁ」

テロリストたちを口の中に放り込もうとしたとき、オイラの鼻がいい匂いを捉えた。
匂いを辿ると、オイラの足元でぺしゃんこになっていた小型トラックからだった。
おそらく民間の運送屋のトラックだったのだろう。

「ケチャップ?」

どうやら大量のケチャップを積んでいたらしい。
潰れた荷台からケチャップが滲み出ている。

「あっ、そうだ」

オイラは満面の笑みを浮かべながらテロリストたちに荷台から滲み出ているケチャップを擦り付ける。

「ますます美味しそうになった。じゃ、いっただきまーす」

今度こそオイラは二人を口の中に放り込んだ。



<2011/12/05 22:55 とんこつ>消しゴム
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