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【保】特生3課〜東京危機〜 − 旧・小説投稿所A

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【保】特生3課〜東京危機〜

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「えっ?もう一度言ってもらえますか?」

格納庫でパソコンでネトゲにログインしようとしたところを、佐藤警部補たちに呼び止められた。

「だから、君にたくさんのプレゼントが届いたの」

佐藤警部補はあっけらかんと言う。

「まさか。誰が送ってくるというんです?」

知り合いといったら特生3課の人たちくらい。
親の顔も知らない(まあ遺伝子操作されまくって生まれてきたんだから当然といえば当然)。
そんなオイラに誰が送ってくるというのだろうか。

「君の獅子奮迅の働きを理解してくれた国民の皆様方からだ。見てみろ。君からしたらどれも小さくて感覚がわかないだろうが、相当な量のプレゼントだぞ」

警部補の言葉と共に三人の職員が台車を押して中に入ってきた。
どの台車にもたくさんの段ボール箱が山積みになっている。

「君にとっては一口二口程度の量だろうが、これらに込められてる心はそんなもんじゃない。メッセージカードも何枚か付いててな。読むぞ」

オイラは黙って耳を傾ける。

「『今回のテロにおけるコタロウ巡査の活躍に感謝してもしきれません。陰ながら応援してます。これからも日本の治安をお願いします』『コタロウ巡査の獅子奮迅の働きに感銘を受けました。世間はやたらと批判していますが、私はそうは微塵も思いません。本当にありがとうございました』」

オイラの頬を熱い何かが伝う。

「コタロウ巡査も泣くときがあるんだな」

「……これでも、人間の遺伝子、混じってますから」

胸の奥から熱いものが込み上げてきた。
佐藤警部補はなおも手紙の朗読を続ける。

「――これで終わりだ」

全て読み終えたとき、オイラはただ嗚咽をもらしていた。
純粋に嬉しかった。
今まで批判されたことは山ほどあっても、誉められた経験はほとんどなかったからだ。

「実はアメリカ側からもヘリの生け捕りの謝礼として、ウチにそりゃもう膨大な量の肉を送ってきたんだ。というわけで今日はみんなで焼き肉パーティーとしゃれこもうじゃないか」

「……はい!」

涙を手で拭い、大きな声で答えた。

凶悪犯罪に対抗するために作られた特生3課。
彼らがこうして存在するかぎり、日本の治安は安寧のようです。

お し ま い



<2011/12/05 22:56 とんこつ>消しゴム
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