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【保】神々の戯れ − 旧・小説投稿所A
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【保】神々の戯れ

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「イデテテテ……。私の眠りを妨げた不埒者はどこのどいつだ!?」

水神は頭を押さえながら吠える。

「あー、スマン。もう少し加減すべきだったな」

「その声は月夜兎か!なんでこんな不意討ちみたいな真似するんだよ?……あっ、さてはこの前の遊びの続きだな」

「いや、今回は遊びじゃ――」

「なかなか効いたぞ、今の攻撃。ふっふっふ、じゃあ次はこっちの番だ!」

水神は笑いながら器用に二本足で立ち上がり、またも頭を強打した。

「ーーッ!!」

「自分の体の大きさと、この洞窟の狭さのことを考えろよな」

あまりにも間抜けな醜態を披露した水神を見て、月夜兎はため息を吐く。

「う、うるさい!その減らず口を聞けないようにしてやる!!」

水神の体に変化が起きた。
ただでさえ大きな体がさらに巨大化し始めたのだ。

「馬鹿野郎!こんなところで元の大きさに戻るんじゃねぇ!」

巨大化する水神の体に巻き込まれないように月夜兎は出口へとダッシュした。
月夜兎は出口の岩をすり抜け、全速力で山を下りていく。
降り注いでくる落石を華麗なステップで避けながら、何とか岩山の麓へたどり着いた。

「月夜兎ォー!」

洞窟を突き破り、すっかり岩山の形状を変えるぐらいにまで巨大になった水神が咆哮を上げた。

「おっ、見ーつけた」

水神は岩山から飛び降りた。
着地の衝撃は地震となって月夜兎を襲った。

「うわっ!」

月夜兎はその場に尻餅をつく。
すると水神は身動きがとれなくなっている月夜兎のことを傷付けないようにそっと摘み上げた。

「遊ぼうと思ってたけど、せっかく元の大きさになったわけだし予定変更」

水神の台詞に月夜兎は嫌な予感がした。

「いやぁ、元の大きさになって月夜兎を見るとさ、真っ白なマシュマロみたいでとても美味しそうなんだよねぇ。というわけで食べちゃうね」

月夜兎は反論の言葉を発する前に口の中へと放り込まれてしまった。



<2011/12/05 22:45 とんこつ>消しゴム
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