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【保】粉砕された日常 − 旧・小説投稿所A

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【保】粉砕された日常

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なんで俺がこんな目にあっているのか…事の始まりはほんの少し前に遡る。


「さて、学校終わった〜!帰ってゲームしよ」

何気ない学校生活を終えて後はただ、いつものようにチャットや携帯で暇潰しをしながら帰るだけだった
だけど、その日携帯を開くとメールが一件届いていたんだ。

「メール…?あ、そう言えば昨日のなりきりの続きやるって言ってたっけ」

画面には、〈こんにちはw〉と映し出されいつもと変わらずに、こちらも〈こんにちはw〉とメールを返信した。

「自転車漕ぎながらは危ないのに、よくやるよ」

歩きながら携帯を弄っている俺も言えたことじゃ無いけど…
メールをやりとりしているうちに、〈オフ会でもしてみたいですねw〉なんて冗談半分に送ると返信されてきたメールにはこう書かれていた。

〈本当に会いたいのか?〉

「ん…?」

少し変に思いながらも俺は〈会えるなら是非w〉
と軽いノリと勢いで送った
〈そうか…なら、望み通りに会ってやろうではないか〉

「う…」

メールを読んだ途端足に力が入らなくなり、そのまま道端で倒れてしまった…

「…ククク…直ぐに行くからな…」

「ぅ…く…」

目が覚めると目の前には、コンクリートの道路や舗装された道などなく
木々が鬱蒼と生い茂る森の中だった。

「え…どこだよ…ここ!?」
周りを見渡すうちに一つの結論にたどり着いた

「そうだ…これは夢か…そうだよなー、さっきまで学校から帰る途中だったもんなー、だから夢!うん夢!」

正直夢だと思わなきゃ、不安に押しつぶされそうで気が気じゃ無かった

〜♪〜〜♪

「うわっ!って…メールかびっくりしたぁ…」


驚きながら受信したメールを見ると、俺の甘い考えを見透かしたかのように

〈残念だが、これは夢ではないぞ?〉

俺はそのメールを直ぐ様削除しようとしたが…出来なかった
単に友達とのメールを削除出来ない訳じゃなく、削除ボタンを押しても削除出来なかったんだ。

「な、なんで消せないんだよ!?」

〜♪〜〜♪

そうこうしてるうちに次のメールが届いた

「次はなんなんだよ!」

〈ククク…貴様から1km離れた場所にいるぞ…〉
「め…メリーさん!?また懐かしい都市伝説を…てか1kmって…」

思わぬボケに突っ込んでいると次のメールが届いた

〈ふむ…貴様から250m離れてしまった…〉

「迷ってどうすんだ!ってまだ続きがあるな…」

まさかの2連ボケをテンプレートな突っ込みで捌きながら、下にスクロールしていくと…

〈今、貴様の後ろにいるぞ〉

「グルルル…」

「え…っ…?」

人間ってなんでこういう時に走って逃げないで、振り向いたりしちゃうのか…
よくわかった気がする、9割の恐怖よりも1割の好奇心の方が勝って振り向いちゃうんだね、例え命が懸かっていようとも…
勿論、俺も振り向いた、人生終了と言う片道切符を無理矢理受け取らされながら。

「こんにちは…大樹…」

「ぁ…ぁ…」

振り向くと、明らかに不釣り合いなサイズの携帯電話を持った、黒曜石の様な鱗に覆われ。深紅の瞳で俺を見下ろす〈黒竜神ラギア〉がそこにいた…

「どうした…?せっかく会いに来てやったというのに」

ガシッ…

ラギアはそう言うと、携帯電話で塞がっていない方の手で俺を捕まえた。

「ぁ…ぁ…!」

「何故怯える…我と大樹の仲ではないか」

この状態で怯えるなって方が、無理だと思う
そして、この後に起きる最悪な出来事を頭から何度も振り払うも、直ぐに頭へと浮かんでくる…

「はぁ…はぁ…」

「…ククク…どうした…?」

「…お…俺を…どうするつもりなんだ…」

「フン…愚問だな…我が何をしたいか、何を求めているかそれは〈大樹〉お前自身が分かっているはずだ…」

そう言うとラギアは口を大きく開き、口の中から溢れだす唾液の雨を俺に浴びせながらゆっくりと運んでゆく…

「…う…ぅ…うわぁぁぁ!!!」


黒竜神の手の中でもがく俺の目に映るのは、黒竜神の口、そしてその奥に広がる肉洞は獲物を今か今かと待ち構え蠢いていた…



<2011/11/28 23:31 大樹>消しゴム
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