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【保】風の運んでくる音 − 旧・小説投稿所A

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【保】風の運んでくる音

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「フフっ……では、出口を教えてあげるわね……」

「ん……お願いします……」

竜が撫でる手を止め、私をギュッと抱きしめる……。
他の獣の匂いや、人間の匂いも混じってはいたが、竜の匂いはまるで魅了するかのように、頭をぼんやりさせてくる……。

「実は、この洞窟は抜け道なのよ……?突き当たりを右に曲がると……森の出口が見えるわよ?」

「ニャ……突き当たりを右ですね……?」

集中力の削がれる竜の匂いに気をつけ、頭に入れる。

「さぁ、行きなさい……私にもやることがあるので……フフっ♪」

竜はフワリと優しく私を地面に降ろすと何やら上機嫌で去っていってしまう……。

「……なんだか、いいひとだったな……」

私も竜を見送ると、洞窟の中へと一目散へと駆け込んだ……!

(……突き当たり……まだかな……?)

どれくらい経っただろうか……私の足は疲れ、肉球も既に傷だらけ。
光りもない真っ暗な洞窟の中を、私は夜目を利かせて走り続ける……。

(……突き当たり……!それに少しだけ光りも差しているみたい……)

やっとのことで洞窟の突き当たりに辿り着き、ほっと安堵しながら右へと曲がる……。
進むにつれだんだんと光が強くなっていくことに私は心を折られずに、尻尾を持ち上げて走り抜ける……。
そうして、洞窟から飛び出して……

「小さい身体の割には頑張ったわね……ご苦労様♪」

「にゃっ……!?……竜さん……!!……じゃない……」

声は先程の竜と同じなのだが、明らかに違うところが一つ……。
それは、身体の色が黒ではなく、白……純白と言ってもいいほどこの森には場違いな色だった……。

「フフっ……もう少しでこの森から出られたのに……残念でした♪」

「ニャッ……!?」

そうして竜は私をつまみ上げた……!



<2011/11/25 21:41 蒼空>消しゴム
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