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【保】兄竜との出会い − 旧・小説投稿所A

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【保】兄竜との出会い

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…バッサ…バッサ…

スタ…


倒れていた子供を抱えたジェネラスは洞窟へたどり着き、壁に寄りかかった…


「傷だらけではないか…」


パアアアアア……


ジェネラスの放った光は子供を包んだ瞬間傷が消えた…


「うう…ん?」


その光で目が覚めた子供はジェネラスを見た瞬間固まってしまった…


「あ…あ…」

(仕方ないか…)「落ち着くのだ…人間の子供よ…」

「え?しゃべった…」

「森で倒れていたがどうしたのだ?」

「ひゃ…う…う…」


ジェネラスは自分の顔を近づけた瞬間子供は震えだしてしまった…

(パニックになってしまったら大変だな…こうなったら…)


バ…ギュ…

「へ?」

ジェネラスは自分のお腹に子供をくっつけ、優しく抱きしめた…


「あ、暖かい…」

「落ちついたか?」

「う…ん…」


子供はほんのりとした温もりに身を預けた…




数時間後


「そろそろいいか?」

「うん…」


ジェネラスは抱きしめをやめ、子供はジェネラスを見たが震えることはなかった…

「少し質問を変える…人間の子…名はなんと言う?」

「僕?僕の名前はスイト…」

「そうか…わかったぞ…スイト…」

名前呼んだジェネラスだがスイトは照れくさくなり、お腹に寄りかかる…

「ねえ…お兄ちゃんはなんて生き物なの?」

「私か…私はドラゴンという者だ…」

「ドラゴン?」

「そうだ…」

「わかったよ…ドラゴンさん…」

「むう…ところで森で倒れていたが何かあったのか?」

「……………………」


それを聞いた子供は少し震えてしまい、口を開いた…


「ぼ、僕ね…親がいないんだ…」

「そ、そうなのか?」

「それでね…村のみんなはいつも僕をいじめてくるの…だから僕…怖くて村を出て…それで…グス…」

「そ、そうか…すまん事を聞いた…」
(似ている…過去の私に…)

ペロ…ペロ…


泣きだしてしまった子供をジェネラスは優しく涙を舐め取る…


「ううん…いいの…ドラゴンさん…」

「…………………」


バッサ…バッサ…


「え…?」

「む…」


突然音が聞こえ、二人は洞窟の入り口に目が入った…それはあのピンク色のドラゴンだった…





「それってミレアのことじゃ…」

「うむ…小さい頃のお前を気にいってたらしいぞ…」

「へえ…」

「そういえば小さい頃のお前はミレアのある事に喜んでいたな……確か……」

「小さい頃の俺が!?」

「今でもそうではないのか?」

「うう…ミレアにそんなことされてたなんて…今でもそうだけど…」



<2011/11/24 21:59 スイト>消しゴム
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