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バベルの塔 - 旧・小説投稿所A
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バベルの塔
- 追う者、追われる者 -
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三戦目での手痛い敗北は、バビロンの心を盛大に掻きむしった。
これで先ほどの勝利は消し飛び、またしても崖っぷちに立たされる羽目になった。
全五回戦ということは、三戦を制した者が勝者になる。
既にバビロンの戦績は一勝二敗・・・次を負ければ、何の慈悲もないままロンギヌスは殺されるだろう。
そんな未来を呼び込まないためにも、バビロンは先ほどの勝負を一から分析し直す。
「(…...まず私がまんまとやられた理由…)」
確かに、イカサマの防止ルールは立てられた。
しかし結果的にはそれが相手に「イカサマは来ない」という安心感を与え、隙を生むのだ。
その心理を逆手に取って狙い撃ちすれば、驚くほど簡単にイカサマは通用するだろう。
「(しかしイカサマをした証拠は…どこにも…)」
証拠どころか、ラファエルがどんなトリックを使ったのすらまだ判明していない。
そんな状況でイカサマを主張したところで、相手にされないに決まっている。
しかし、確かな収穫はあった。
バビロンは今回の負けで、ルールがイカサマを防いでくれないことを知った。
逆に言うなら・・・
「(そうか…...ルールこそ、イカサマを確立するための土台として…)」
バビロンは紅茶を飲みながら必死に思考を回した。
もう早くも黒服が四回戦の準備を始めようとしている。
「(…やはり……..気がかりなのは三つ目のルールか….)」
即ち、場に提出したカードに触れてはいけない、というものだ。
バビロンも場のカードから強カードを抜き取る、という策を練っていたので、建前上はその防止になったかもしれない。
ーーーだが何かが引っ掛かる。
本当にこちらがそんなイカサマをすると予期して、そのルールを立てたというのか?
もしバビロンが三回戦を真剣勝負でいこうとしたら、第三のルールは水の泡だったのか?
「(….....違う.....防壁だ……!!!)」
彼らが唯一恐れているのは、当然、イカサマが見破られることだ。
しかしもし「発見」されたとしても、カードには触れないため「証明」はさせない。
そのために第三のルールで、バビロンがイカサマを証明しようとして場のカードに触れるのを阻止したのだ。
つまりラファエルが行ったイカサマのネタは、カードに眠っているという事だ。
「(結局…..私は奴らが敷いたレールの上を走らされていた訳か…)」
最初から、ラファエルとウォリアが共同で立てた策略。
第三のルールの存在意義は、最初からイカサマを守ることだったのだ。
・・・自分の浅はかさ、軽率さが招いた事態だった。
ルールが制定されようとしたとき、奴らのイカサマの可能性を武器にすれば止められたかもしれない。
しかし敗北や愚かさを嘆いている場合ではない。
時間を引き延ばすために飲んでいた紅茶も、そろそろ残り少なくなっている。
何とかラファエルのイカサマを打破して、四回戦に勝つ方法を見出さなければ。
「(考えろ…...)」
考える。考える。考える。考える。とにかく考えた。
綿密な計算などでは導きだせない、卑劣なカードのトリック。
それさえ分かれば・・・
黒服がカードを配り終えた直後、ラファエルのカードの持ち方を見たバビロンに、ピーンと閃光が走った。
ーーーー待てよ・・・普通、カードの出し方っていうのは・・
ダブルやトリプル、もしくは革命のとき、通常はカードを重ねて出すのが一般的だ。
無論、バビロンやラファエルも例外ではない。
だがそれによって、完全に見えているのは一番上にあるカードだけという事になる。
例えばAの革命時、一番上にあるカード以外は、左上に書かれた数字やマークだけが顔を出すだろう。
「(フフ、そうか…そういうトリック……寸法か…!!)」
とうとう手に入れた、勝利という扉への鍵。
自分の12枚のカードの下で、バビロンは悪辣な笑みを浮かべた。
ただしそれらのカードが活躍する機会は、今回に限ってない。
イカサマの魔法を解いたバビロンにとって、自分のカードの強弱などどうでもいいのだ。
信じるものは、己の観察力だけ。
<2011/12/18 18:08 ロンギヌス>
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