楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル
rain tears -心の涙- − 旧・小説投稿所A

RSS | 感想 | TOP
rain tears -心の涙-
− 狼姉と子供 −
|<< < 9 / 26 >>|



「今、帰ったぞ」

「あ、お帰り」

「そんなに動いて大丈夫か?」

「うん。狼姉(おおかみねえ)のお陰だよ」

「そうか」

黒法衣を脱ぎ、埃を払う。

そして、魔銃を片そうとして気付く。

お金やら貴重品をしまう棚の中身の位置が違う事に。

「……誰か来たのか?」

「ううん。どうしたの?」

「いや……少し気になってな」

とりあえず、魔銃をしまい物資を詰めた紙袋を片手に仔の向かいに座る。

(気のせいか……)

紙袋から消毒液、ガーゼ、包帯を取り出し、机に広げる。

仔に近くの長椅子に横になれと促す。

「お前にいくつか聴きたい。嫌だったら答えなくとも良い」

「……うん」

「知人や親戚はいるか?」

無言で首を横に振る。

私は消毒液を染み込ませたガーゼで傷を殺菌する。

傷はまだ痛むらしく、ガーゼが傷を撫ぜる度に顔を顰める。

「親はいるのか?」

これには何も反応がなかった。

やはり、そうだったか。

可哀想に……

こんなボロボロになってまで生きようとしているのに、

誰も助けようとしないとは……

「身寄りが見つかるまで面倒は看てやる」

微笑みとはほど遠い、微笑みを浮かべて優しく頭を撫ぜる。

あそこで出会ったのも何かの縁だ。

最悪、最後まで面倒看るのも悪くない。

独りになってから何年経つのだろうか……

独りにはもう飽きた頃だしな。



<2011/09/05 09:40 セイル>消しゴム
|<< < 9 / 26 >>|

TOP | 感想 | RSS
まろやか投稿小説すまーと Ver1.00b