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rain tears -心の涙- − 旧・小説投稿所A

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rain tears -心の涙-
− 弾ぜる花弁 −
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私は手をかかげ、光の障壁を解除した。

それと同時に、重たい雲が雨を吐き出し始めた。

ソーマに歩み寄り、翼の翼膜を屋根代わりにしてやった。

雨は私の心だけを強く打ち付ける。

「……恐いか?」

「……………」

返事は無かった。

当然だろうと思った。

世話をしてくれる私は自分らを喰らう怪物だったのだから。

そんな真実を突きつけられてすぐに答えを出せる筈が無い。

「あなたは……狼姉なの?」

「そうだ。フローラ・ライオット・レーゼ」

「……そうだよね……間違ってない……狼姉だもんね」

今日は寒い。

翼膜で覆うように被せてやる。

雨に打たれでもしたらきっと風邪を引いてしまうだろう。

こんな怪物に看てもらいたくはないだろう。

「雨が止んだらどこかに行くと良い。お金はそのままやる」

「狼姉は……僕を食べる気だったの……?」

「そのつもりはない。 嘘に聞こえるだろうな」

言葉では何とでも取り繕える。

もちろん、始めからそんなつもりは無かった。

ただ、誰かと一緒に居たかっただけだった。

かつてのように日々を過ごしたかっただけ。

この仔と……ソーマと一緒にいたいと思っただけ。

「ソーマ」





あと・・・二回で
完結かな?
<2011/09/26 09:39 セイル>
消しゴム
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