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【保】突然の覚醒 − 旧・小説投稿所A

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【保】突然の覚醒

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「ククク…いい練習台だ…」


パアアアア……


ジェネラスの両腕はスイトへと向け、手が輝いた…

パシュン……


「うわ……!!」


放った魔法彈はスイトに向けて飛んで行った…


「危ない…!!」


パアアアア……
パシュン…

ドゴオオオン!!


ミレアはシールド魔法を飛ばし、魔法弾を粉砕した…


「ほう…貴様も魔法が使えるのか…」

「何よ…兄の魔法を使ってどうするつもり!?」

「こいつの魔法が目的ではない…本来の目的は…」

バ…!!

ブオオオオオ………バチ…バチ…


「で、でか…」

「う、嘘…何…あれ…」


ジェネラスが両腕を上げた瞬間、上は黒くまとった巨大なエネルギー体が出来上がっていた…


「妹の方…こいつ自身がこの力を持っている…そしてすべてを破壊するために!!」

「そんな……兄が…そんなことを…」

「ミレア…!!あいつの言うことを聞いちゃダメだ…!!」

「フン…何も知らぬ愚かしい人間が…」

「うるさい!ジェネラスのことを知らないくせに勝手な事言いやがって!!」

「おのれ…」


ブオン…!!


黒いエネルギー体は二人目掛けて落ちて行った…


「消え去れ…!!」

「やばい…間に合わない…」

ガシ…!!


「!?」

ビュオオオオ…


ドゴーーーーン!!


地面に爆風が広がり辺りのものが消し飛んだ…

「死んだか…?」

ジェネラスは辺りを探したが……

「ぬ…どこにもいないだと…!?」


そこにはもう二人はいなかったのだ…

「おのれ…逃げられたか…無駄なエネルギーを使ってしまった…」







※ ※ ※






一方…ミレアとスイトは…



バッサ…バッサ…
スタ…


「ハア…ハア…」

「ミ、ミレア…大丈夫か?すごいスピードで逃げたから…」


二人はというと実はミレアがスイトを掴み、そして飛んで逃げることに成功したのだ…


「つ、疲れたわ…必死で逃げたから…」

「そうか…」

「ちょっと…休ませて…」

「分かった…」


ミレアはそう言うと木に寄りかかり、体を休めた…


「スイト…こっち来て…」

「え…何で…?」

「いいから…」


仕方なくスイトはミレアに近づき…


ガシ…

「え…?」

バ…ギュ…!!


「ちょ…ミレア!?」

いきなりミレアに抱きしめられ、体は動かそうにも動けなかった…

「ミレア…何するん……!?…」

「ウウ…グス…」


ミレアは泣いていた…
スイトの顔には涙の粒がポツポツと落ちてきた…

「ミ、ミレア…」

「グス…あれが…あたしの兄なの…?」

「そんなわけないよ…ミレア…」

「でも…」

「だって…ジェネラスはいつも親切にしてくれる…心配してくれる…俺はジェネラス自身がそれを望むなんて思わないよ…」

「うう…そうね…ありがとう…スイト…」

ニコ…


「う…」

ミレアは泣き止み、俺に笑顔で返した…



「そろそろいいわ…」

「そうか…だがどうすればいい?」

「そうね…兄に攻撃魔法なんてできないし…」

「だが…やりあったら勝ち目なさそうだぞ…?」

「う〜ん…あ…!!」

「な、何か思いついたのか?」

「兄に教わった秘伝魔法を使ってみようかしら?」

「秘伝魔法…?」

「わからないけど体の中の何かを追っ払うとかどうとか言ってたけど…」

「いやこの際何でもいいからそれを使えば…」

「そうね…でも使うには時間が必要なの…」

「そ、そうか」



ドゴオオオン


「うわ!?」

「森にどんどん被害が起きそうね…」

「だったら俺が時間稼ぎしてくる!!」

「え…?」

「だからミレアはその間に魔法を完成してくれ…」

「わかったわ…」

パン…!
パアアアア…


ミレアの両手から小さな黄色い光が出た。


「小さいな…」

「これを大きくするのに時間がかかるから…」

「わかった…じゃ行ってくる…」

「気をつけてね…」



そしてスイトは走りだした…ジェネラスを助けるために…



<2011/11/24 21:54 スイト>消しゴム
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