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竜の恋路を邪魔する者は喰われてしまえ − 旧・小説投稿所A

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竜の恋路を邪魔する者は喰われてしまえ

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「ほら、持ってきてやった……」

薬の入った瓶を持って戻ってきたカルメディは思わず立ち止まった。

「オーロラ、頼むから私を呼び捨てで呼んでくれ」

「そ、そういうわけには……」

セピアとオーロラが痴話喧嘩を繰り広げていた。
リア竜(リアルが充実している竜)爆発しろ、とカルメディは親友に対して呪詛の言葉を心の中で吐く。

「オイ、セピア」

少し強めの口調で呼んでようやくセピアは気付いた。

「あ、ああ、悪いな」

「よし、じゃあオーロラさん、これ飲んじゃって」

カルメディは瓶の蓋を開け、オーロラの手のひらに錠剤を二錠置いた。
オーロラは言われたとおりにそれを飲む。
すると彼女の体が人間だった時の姿に戻っていった。

「服を置いておくぞ」

セピアはオーロラがかつて着ていた服を地面に置いた。

「なんかちょっと古めかしいな。目立つかもしれんぞ」

カルメディは苦言を呈する。

「そう言うな。何でも召還士の正装というものらしくて、オーロラが人間の時に着ていたのがこれだったんだ」

「あの、着替えましたから今から行ってきます」

セピアが下を向くと、そこには人間姿になったオーロラがいた。
あの時と変わらない姿だな、とセピアは思った。

「気をつけて行ってくるんだぞ。何かあったら私を呼べ。すぐに助けに行くからな」

セピアはそう言って鼻先をコツンと彼女の頭に当てた。
鼻先をコツンと当てる行為は、ドラゴンたちのキスみたいなものである。

「では私も肉を狩ってくる」

「だったら俺がいい場所に連れて行ってやるよ」

こうしてオーロラは徒歩で街へ、セピアはカルメディと一緒に肉を狩りに出掛けていった。


<2011/08/18 21:01 とんこつ>消しゴム
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