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竜の恋路を邪魔する者は喰われてしまえ − 旧・小説投稿所A

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竜の恋路を邪魔する者は喰われてしまえ

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「カルメディ、いるか?」

セピアは怪訝そうな顔をして洞窟の中を覗き込んだ。
すると奥のほうから爆発音が聞こえ、奥からまるでセピアやオーロラの体色のように真っ黒になったカルメディがやってきた。

「おお、セピアとオーロラさんじゃないか。ゲホッ、ゲホッ!まあ立ち話もなんだし中に入りなよ」

「私の大きさでは入れないし、爆発があるような危ないお前の家にオーロラを入れさせられるか」

カルメディの誘いをセピアはぴしゃりと跳ね除ける。

「危なくて悪かったな。ところで今日はどうして来たんだよ?」

「オーロラを人間に戻す薬をくれないか?いやな、急にビーフシチューとやらが食べたくなったんだが、材料が幻獣界では揃わなくてな。そしたらオーロラが人間の世界に行って私が買ってくると言ってくれたのだよ」

セピアは足元にいたオーロラを抱え上げた。
竜人姿になったオーロラは人間姿だったときよりも体が二回りは大きくなってはいたのだが、それでもセピアからすれば小さかった。

「あれ?なんでお前がビーフシチューなんて知ってるんだよ?」

「私が人間だったときに読んでいた小説をセピア様に貸したんです。そしたらその中にビーフシチューが出てきたらしくて」

カルメディの質問にオーロラが代わりに答えた。

「だから『様』なんか付けなくていい。私たちは夫婦なのだ。遠慮などいらん」

噂には聞いていたが、セピアのやつオーロラさんにマジで惚れ込んでるなぁ。
セピアの発言を聞いたカルメディはそう思った。

「分かった。今から薬を持ってきてやるからここで待っててくれ」

そう告げてカルメディは洞窟の奥に戻っていった。


<2011/08/17 20:07 とんこつ>消しゴム
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