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【保】とある竜医と女王竜の記録 − 旧・小説投稿所A

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【保】とある竜医と女王竜の記録

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「悪いが、俺も仕事があって忙しいんでな」

ゴルダはエルダリス2世に言い放つ、エルダリス2世はしょんぼりしたような顔で

「ならば仕方ない・・・伝言をいいか?ウィズダムの奴に、例の件。受け付けると話して置いてくれ」

ウィズダムへの伝言を伝えて、ゴルダを帰した。

「あー、疲れた」

スリュムヴォルドへ戻って来たゴルダの一声は、それだった。
診察室になる予定の場所はほぼすべての設置が完了しており、いつでも診察ができるようにはされていた。

「さて、ウィズダムに報告をせねば」

ゴルダはウィズダムの部屋へと向かう。ウィズダムは部屋の中で必死に何かの計算をしており、話しかけにくい状態だったので。ゴルダは待つために椅子に腰掛ける。

「で、エルダリス2世からの返事は?」

計算をしながらウィズダムが聞いて来たので、ゴルダは受け付けるとの返事をもらった事を伝える。

「ふむ、また一歩前進だな」

「何計算してんだ?」

ゴルダはウィズダムの計算している紙を見た。紙には微積分やら行列式やらの複雑な式がゴチャゴチャと書かれており、何の計算をしているかは不明だった。

「どれくらいの規模の発電所が必要かを計算している。さあ、邪魔だから出て行ってくれ」

ウィズダムは何かの魔法でゴルダを部屋からつまみ出し、部屋に鍵を掛ける。

「何だよ全く」

文句を言いながら城の中をうろついていると、カトレアが時雨やリーフィアと一緒に室内菜園を耕している所に遭遇した。

「あら、御苦労さま。耕すの手伝ってくれない?エルフィサリドは忙しいから私達がやってるの」

そうかと頷き、ゴルダはスコップを取って豪快に耕し始めた。

「慣れてるのね」

カトレアは感心するように言う。

「掘るのなら、従軍時代の演習でさんざんやった」

ゴルダは特に深く受け止めず、黙々と耕して行く。

「野菜でも植えるのか?」

ある程度耕してゴルダが聞くと、カトレアはそうよと答える。

「ふう、終わった」

半分ほどは耕されていたので、ゴルダが残りの半分をやった所で終わった。

「汚れちまったな、風呂入るかな」

ゴルダが風呂場へ行こうとすると、時雨が

「私に任せて」

といきなりハイドロポンプを放ってきた。

「ぶっ!」

水の勢いでゴルダは耕したての土に、水と一緒に叩き付けられた。



<2011/07/25 22:10 ゴルダ>消しゴム
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