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消えた理性 − 旧・小説投稿所A

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消えた理性

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いつのまにか、次の日になっていた。
カイオーガはコラッタの世話をまだする気のようで、今は食べられる木の実を探しに出かけている。
しかし、コラッタの方は今だにカイオーガに対する恐れを隠せないでいた。
それもそのはず、彼はちょっとその辺りを漁れば出てくる一端のコラッタ、いくら性格が穏やかでも、「海の王」の異名を持つポケモンに対する恐怖はあるに決まっている。そしてそれに踏み潰されたとなれば尚更だ。
怒らせたら最後、跡形もなく消し去られるであろう。


とか考えている内にカイオーガが帰ってきてしまった。
頭の上にオボンだのラムだのを大量に乗せている。
「ただいまー、どう?体の調子は。」
カイオーガは明るい声で話しかけた。
「あ、ああ、だいぶよ、良くなってきたみたいだ。」
さっき恐ろしい事を考えたせいか、震える声でコラッタは答えた。
「そっか、良かったぁ。」
カイオーガは気づいていないようだ。
「あ、あのさ」
「ん?」
初めてコラッタの方から話しかける。

「どうして俺みたいなコラッタなんかを助けたんだ?」
「そりゃー僕が怪我させたんだもん。助けるのは当然でしょ?」
「相手が誰だろうと?」
「もちろん。」

コラッタは唖然とした。今まで自分の事をここまで気に掛けてくれたポケモンはいなかったのだ。いつも森の中ではバンギラスやニドキング、ボスゴドラなど、大型ポケモンにいじめられ、下敷きにされていたが、気にしてくれる他人は誰一人いなかった。
感動し、いつの間にか目頭が熱くなり、目からは涙が滴り落ちていた。
驚いたのはもちろんカイオーガである。
「な、なんで泣くのさ!酷いことしたら謝ったり手当てするのが、当たり前でしょ?」
「う、、うん、そうだね。」

コラッタは泣きながら肯定した。内心信じられなかったが。
どうやら二人とも、自分の生活が当たり前だと思いこんでいたようだ。



カイオーガはコラッタが泣き止んだ後、
「ねえ、何かあったの?僕で良ければ相談に乗るけど&#8226;&#8226;&#8226;」
その言葉はコラッタにとって、天の救いだった。親もいない彼は、相談できる相手は無きに等しかったのだ。
「あ、ああ、ありがとな」
そしてコラッタは、今までの出来事全てを、信頼できる相手に初めて、話したのだった。



<2011/05/15 13:02 ロンギヌス>消しゴム
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