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夕立の日に − 旧・小説投稿所A

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夕立の日に

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「・・・う」

暗闇の中、夕は目を覚ました

いつの間にか気絶してしまっていたらしい

瞼を開けると暗闇が目に入った

ゆっくりと体を起こして辺りを見渡す

「ここは・・・どこだ?」

見えるのはただの暗闇

それがどこまでも深く続いている

「確か、鏡の中から・・・」

鏡から出てきた手に引きずり込まれる所を思い出すと、ザワッ・・・と鳥肌が立った

「もしかして・・・鏡の中・・・?」











「やっと気がついたか」












夕の紡いだ言葉に返事があった

驚いて辺りを見渡すが暗闇しか見えない

低くて透き通るような美しい声に不思議と興味が湧いてくる

「誰か・・・いるんですか?」

「私はここに居るぞ」

先ほどの美しい声が再び響く。聞き様によっては少年の声のようにも聞こえる

「あの・・・ここは何処なんですか?」

夕はこの疑問を姿の見えない少年にぶつけてみた

「ん?ここか?ここはなぁ・・・」

すぅっと夕の正面の暗闇から白い着物を身に纏った少年が姿を現す

短く切られた少年の髪は濡れたように美しい銀色をしており、活発そうなその姿は見ている者に元気を与えそうだった

「ここは、鏡の中だ。そして私の領域でもある」

誇らしげに答える少年とは反対に夕はガクリと肩を落とす

(やっぱり鏡の中だったんだ・・・)

「どうした?元気が無いぞ?」

「何でここに引きずり込んだんですか?というか貴方は一体・・・」

パニックに陥りそうな頭を何とか冷静に保ちつつ、再び少年に問う。様子を見る限り少なくとも殺されたりはしなさそうだ

「私か?私は・・・」

ここでぐっと溜める

溜める

まだ溜める

「早くしてくださいよ」

「ちぇっ・・・分かったよ」

あまりにも溜めが長いので夕が催促する

「私はここに祀られている狼だ」

「狼?」

「そう。狼。つまり神様って事だな」

得意げに話している少年の頭からバサッと二等辺三角形二つが立った

「おっと。耳が出てしまったな」

「ケモ耳だ・・・」

頭から出たケモ耳はパタパタとせわしなく動いている

それを珍しいものを見るかのように(ケモ耳も十分珍しいが)夕は眺めていた

「それで引きずり込んだ理由は何ですか」

夕は立ち上がりながら尋ねる

「理由知りたい?」

「はい」

少年は口に手を当てう〜んと悩む

何か話したくない事情があるのだろうか?

「その理由なんだけど・・・興味をもったから引きずりこんだんだ」

「え・・・」

何か興味をもたれるような事をしただろうか?と夕は考える

その様子を少年は笑って見ていた

「ハハハ。驚くよな〜。いきなりこんな所に引きずり込まれたら」

彼は途端にさびしそうな顔になって続ける

「昔はな・・・ここにも人が沢山来てたんだよ。それが何時しか来なくなってしまった。そんな中、来たお前に興味を持っても仕方ないだろう?」

「それは・・・まぁ・・・」

二人の間に沈黙が下りる

何か話そうとしてるらしいが言葉がみつからないらしい









「寂しかったんですか?」







先に口を開いたのは夕だった

「寂しい?ハハッ。そうかもな」

それを聞いた少年は自嘲めいた笑いをこぼした



文章能力を上げようと頑張っている今日この頃

何か最近下手になったような・・・あ、もともと下手か

今日の問題(今日からやってみる事にしました。暇でしたらお願いします)

狭霧 夕の狭霧は何から取った?

@船の名前
A飛行機の名前
B山の名前
C川の名前

答えはコメにてお願いします
<2011/07/29 19:56 雪風>
消しゴム
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