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『運命』の記憶 − 旧・小説投稿所A

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『運命』の記憶
− 侵入 −
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お勧めBGM:『10 The beast』
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『緊急警戒 緊急警戒。クォーク内部に違法
ハッキングを確認。現在、逆探知を施行中。』


「ハ、ハッキング!!? クォークに!?」

久しぶりにリーグを揺るがす警報。
ロンギヌスは慌ててモニターの前に座り、キーボードを
高速で叩き回した。どうやら高性能のウイルス対策ソフトが、
一瞬で破られたらしい。


『第2防壁を突破されました。
対策ソフトの崩壊により、クォークは非常モードに切り替わります。』

「すごい速さだ…逆探知はまだか!?」

『完了しました。中央制御室内です。』

「えっ…」

ロンギヌスもラティオスも、これには言葉を失った。
…中央制御室って…ここじゃないか…



「そ、そんな馬鹿な!! 探査機のミスだろ!!」

『第3防壁突破。現在のクォークの汚染率、35%』

「嘘だろ…」

クォークの約三分の一をこんな短時間で我が物にできる輩…
恐らく人間ではない。この侵攻スピードはまるで、コンピュ
ータがコンピュータを操作しているようだった。


『クォークの制御パスワードが流出、ハッカー
に使用されました。汚染率は56%に上昇。』

「本格的にまずいぞ…ラティオス、この部屋に誰かいる!?」

「いませんよ…僕たちの気配しか…」

「…くっそぉ!!!」

ロンギヌスは引き出しを乱暴に開け、一本の鍵を取り出した。
モニター横にある鍵穴に、急いでそれを差し込む。


「マ…マスター何する気ですか!?」

「手動でクォークの電源切るんだよ!! 対策ソフトじゃもう無理だ!」


カチッ…ブゥゥゥゥン…





一時は全てが終わり、電源も部屋の電気も落ちたように見えた。


しかし次の瞬間、なんと消したはずの電力が復活し、
クォークが再起動してしまった。


「ど、どういう事だよ…!!」

『ハッカーによる電力の供給を確認...
汚染率70%を超えました。』

『第1から第6防壁までは崩壊。第7防壁に侵入されました。』


「親切にも程がありますね…電気くれるなんて」

「冗談言ってる場合じゃない!!
クォーク乗っ取られたら全部おしまいだぞ!!」

「マスターどいて!!!」

大慌てのロンギヌスの背後から、開けっ放しの扉を越えて
カイオーガが突入してきた。手にはUSBメモリを持っている。


「ど、どうしたんだよ…それ…」

「おととい暇つぶしに造ってたんだ…
ボク仕様のハッカー撃退ソフト♪」


メモリを差し込み、ニヤッと余裕を見せるカイオーガ。
汚染率が90%を超えたという知らせと同時に、
大きなヒレでEnterキーを叩いた。





『・・・汚染警報解除。ウイルスの消滅を確認しました。
クォークOSの警戒体制を解除します。』


自動アナウンスが最後に言い放ち、その仕事を終える。
カイオーガはほっとしたのか椅子にもたれ掛かり、
脱力したため息を吐いた。

「はぁーーっ…」

「ま、マジかよ…お前そんなの造れたの…?」

「ゼクロムがこういうの得意だったからね…
色々と教えてもらったんだ♪」


占拠される危機をなんとか避け、ロンギヌスはひとまず安堵の声
を漏らした。しかし次の瞬間、身も凍るような鈍い声が、彼ら三
人を震え上がらせた。



・・よくも・・俺の身体を・・

「えっ…マスター、何か言った?」


「…いた。」







一瞬だった。
隠し持っていたライバーを腰から抜き、天井を撃ち抜く
ロンギヌス。かなり硬いはずのそこがいとも容易く壊れ、
天井がガラガラと崩れ始めた。ただ…漆黒に身を覆われた
巨竜と一緒に…


「うわぁっ!!」
「こいつですね…ハッカーの正体。」



『・・人間の城はもろい。俺がすぐに侵入できる。
でもそこのカイオーガに邪魔された。クォークの入手に失敗した。』

今まで数えるのも面倒な数の竜と出会ってきた
ロンギヌスには理解できた。

・・この竜は怒っている・・・

よく見ると黒ペンキに塗り潰されたような肉体は、翼だけ
煌めくブルーに変色していた。これがカイオーガのウイルス
対策ソフトのせいだと、彼は言う。


『俺はデータに変身してクォークに入った。
でもお前のせいで逆流して、体の色が変わった。』


カイオーガを蒼くなった翼で指し、作られたような怒りの顔
を浮かべる。カイオーガは生気を感じない竜の様子に、限
りなく不信感を持っていた。



「名前を聞かせてよ…泥棒さん」

『泥棒じゃない。人工竜バビロン…三号機だ。』

「マ…マスター逃げて!! こいつ知ってる…危な過ぎるよ!!!!!!」



<2011/05/30 22:52 ロンギヌス>消しゴム
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