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ぼくのなつやすみ − 旧・小説投稿所A

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ぼくのなつやすみ
− うみ −
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どちゃっ…!!


「…反省したのか?」

「がっ…はぁ、はぁ、はぁ、はぁッ…!!!」


ギラティナの巨口から、大量の粘ついた液体とともに吐き戻される署長。
長時間にわたる胃袋での処罰に、彼の体は疲労困憊していた。大の字に
倒れこんだ畳の上には、人の形をした唾液の跡が。


「よくもまあ…汚してくれるではないか、私の部屋を」

「ひぎッ…そ、そんな事言われたって…!!」

「フフ…まあいい。まだ処刑は始まったばかりだからな…..」


そう言い残すと、ギラティナはシャドーダイブで姿を眩まして
しまった。彼が去った後には、まるで口笛のような風の音が残
っていた。署長は粘液まみれの体を畳にこすり付け、何とか
ネトネトを取り去ろうとしている。


「ハア…はぁ…はぁ…ハァ….くっ、今度は何だ!!!」


視界がグラグラと歪み、別の世界に放り出されるような感覚に襲われる。
しかし十秒もすると意識も倦怠感もキレイに消え去り、全身のベトベトは
見る影もなかった。


「あ、あれ…..どういう…事だ…」


よく見渡してみれば、自分が寝転んでいる部屋までも変わっていた。
書院造の和室はどこかに消えたようで、代わりに深海のような部屋が
周りを取り囲んでいた。



「ここは….ま、まさか….」


自分の勘が正しければ….ここはあのカイオーガの部屋に違いない。
そして自分は、その彼を指名手配した張本人である。まずタダで
は済まされないだろう。

その時…署長の研ぎ澄まされた耳に、ムシャムシャと何かを貪るような音が入ってきた。
時たま、クチュァと嫌らしい粘液質なサウンドも聴こえる。

おそるおそる音源に目を向けると……







んっちゅ…はむッ….んぶぅ…

「ヤメ…ヤメろ….もう、これ以上は…やめでぐれぇぇッ!!!」

「ダメだよ暴れちゃ、食べにくいったらありゃしない♪」


案の定、カイオーガだった。署長とは反対の方を向いたまま、何者かを
口の中にほお張っている。くぐもった悲鳴と命乞いは、明らかに無視し
ているように見える。


「ん〜? あ、ゴメン、もう来てたんだね。気づかなかったよ」


正直言うと、気づかずにいてくれた方が嬉しかった。カイオーガは
笑顔でニコニコと振り向いたが、その口の端からはルカリオかリオル
と思わしき腕がブラーンと垂れていた。自分のマナーの悪さを恥じ
てか頬を赤らめ、ちゅるっと麺を啜るように呑み込む。


ンググ…..ゴキュッ…っぷ…...

「お行儀がなってない、っていつもマスターに注意されちゃうんだ。
君もいいと思うでしょ? これぐらい」

「え…..あ、ああ…..まあ…」


獲物が呑み込まれるシーン…断末魔が聞こえてきそうだ。ぷくっと
喉を膨らませ、カイオーガは惜しげもなく胃に送り込む。わずかに
太ったお腹をサラサラ撫でながら、彼は署長に首を傾けて誘いかけた。


「えっへへ…君もどう?」


カイオーガが信じられない速さで動いたので、署長はシャドーダイブ
と勘違いするほどだった。ギラティナ同様、彼の背後に素早く回り込
み、ヒレでがっちりヘッドロックを掛ける。



ミシッ…ピキピキ….ポキ…

「へへ〜ん、どうだぁ痛いだろー♪」

「あ、ぎぎぎゃあぁ…ぁあっ…!!!」


途轍もない腕力だ。か弱い署長の首など、早くも折られる寸前にまで
締め上げられている。だがその代償として、署長の顔はカイオーガの
むちむちしたお腹に埋もれる格好になっていた。若さの象徴である…
ハリと潤いに満ちた肌に。


ミキミキ…ビシッ….コキッ…

「あ、あぅあぅあ….ああ…ヤメ…て…折れる…折れるぅぅぅッ!!!」

「首が折れたら死んじゃうからね〜…僕がマスターに怒られちゃうよ」


無念そうな表情で、カイオーガは署長を解放した。ズキズキと痛み
の残る首を押さえ、署長はバタッと床に膝をついた。ハァハァと
荒い呼吸が、どうしても止まらない。



「へへへ…じゃあ始めようか…?」


ギラティナからの処罰、カイオーガからの虐戯。
その疲労が溜まっ
ているせいか、署長の目に映る世界は朦朧としていた。だがグラグラ
と歪む視界でも、ピンクの舌が接近してくるのは確認できた。


「はぁ…はぁ…や、もう…ダメだ…体内は嫌だ…!!」

「ふぅーん…イヤ、ねぇ…」


カイオーガはやれやれと頭を掻きながら、欠伸級に開けていた口を
パクンと閉じた。どうやら彼自身も、普通に喰らうのでは面白くな
いらしい。



「じゃあ……選んでみる?」

「え、ええ…ッ…?」


次の瞬間、カイオーガの右ヒレから海龍が、左ヒレからは毒龍が現れ
た。クネクネとカイオーガの周囲を踊るように飛び交い、署長に液体
でできたキバを剥く。


ーーーシャァァァァ……

「よぉしよし…ちょっと待ってね…」


カイオーガは二匹の龍たちを引き連れ、署長を壁際へと追い詰めた。
逃げ場を失ってしまった彼の顔に、毒龍がグイッと鎌首を近づける。
まるで自分に相応しい食品かどうか、自分でテストしているようだ。


ーーーグルルルゥ…グパァ…..

「ひいッ…!!!?」


署長が素っ頓狂な声を上げるのも無理はない。自分の目の前に
浮かんでいる毒龍からは、紫色の液体がボタボタと床に垂れて
いたのだ。それは床に触れるや否や、シュウシュウと煙を出し
て床を溶かし始める。どうやらこの液体、とんでもない酸性の
毒液のようだ。


「ア…や、やめろ…近づくなあッ!!!」

「おっと刺激しない方がいいよ….この子ちょっと気性が荒いからね…」


カイオーガに勝るとも劣らない大口を開けて、署長を丸ごと呑み
込もうとする毒龍。猛毒の舌ベロが署長に触れる瞬間、カイオー
ガは彼の尾をひっぱった。


「こらこら、つまみ食いはいけません」

ーーーーグルゥ…ガゥ……

「そっ♪ いい子いい子」


毒龍は命令を素直に受け取ると、ご主人様の左隣りへと席を戻した。



「さっ、君にはこの子達の遊び相手をしてもらうんだけど…どっちがいい?」


海龍にせよ毒龍にせよ、カイオーガ同様に食欲旺盛なのは変わりない。
しかし毒液で禿げてしまった床が、署長の決断を後押ししたようだ。



「か、海龍….で…」

「オッケー、今回は出番なしだね」


ショックでガーンと落ち込む毒龍。
まああれだけ強力な毒を持っていては、署長が彼を選ぶはずもない。
カイオーガはヒレに毒龍を引きずり込み、海龍を署長の前に連れていく。


「んじゃ…食べてあげて♪」


瞳のない眼で、署長をギロッと一瞥する海龍。
ぷるぷると透明感のある身体は、まるでゼラチン質のようだ。
早速その波打つような龍の口が、署長の首に覆いかぶさる。


「…ふごぉ…ぶ、ぶぐぉぉぉ…!!」


水という柔らかい素材でできた舌が、ベロォォッと怯える署長の
顔を舐めしだく。ぷにぷに感を超えたぷにぷに感に苛まれ、彼は
ただ喘ぐしか能がなかった。


ーーーバクッ…!! ンギュギュ…ゴクリ….


「あ、うわぁあぁ!!」


透明な喉を超え、ロングな身体を滑り落とされる感覚。柔らかすぎる
食道の肉壁…いや、もはや水壁といった方がいい。さらに龍の体内に
いるにも関わらず、半透明な水壁の向こうに、カイオーガの部屋の壁
が見えた。


くっちゅ…ちゅむっ….ぬちゅ…


「あ…ひぃ…あぐ…」


時間をかけて食道を下っていった後は、体の落下を感じなくなった。
どうやらここが海龍の胃袋らしい。とはいえ光景はほとんど変化して
いないが….


だがそこは胃袋という獲物を消化するための器官。特に何も無し…
という訳にはいかない。ぷるぷるの胃壁がこれでもかと圧迫感を与え、
自分が『胃袋』にいることを再確認させてくる。


ズチュ….むにゅッ…むにゅッ….ぷにゅッ…

「う、うあぁ….」


胃袋でしか体感できないメインディッシュ、揉みしだきが始まる。
最高級の柔らかさが鼻口を塞ぎ、水布団にマッサージされるような
感覚。濡れ雑巾を絞れば水が出てくるように、署長は圧迫される度
に奇声を発していた。



「い…だ….助けて….あぅ…もう…ごめんなさい…!!」


謝罪をしても、既に手遅れ。寝返りすら打てないような狭さの中で、
さらに圧縮しようと揉み込んでくる胃壁。柔らかい悪魔に全身を愛撫
され、署長はまたしてもネトネトになっていた。




一方カイオーガは、海龍のもこっと膨らんだ腹を嬉しそうに観察
していた。何しろ獲物が胃袋であっぷあっぷしている様子は、半
透明なゼリー胃壁のせいで外から丸見えだったのだ。署長が胃
壁をボコスカ蹴っているのも、カイオーガには一目瞭然。



「へへへぇ…こうみると可愛いんだけどね…」





<2011/09/17 23:53 ロンギヌス>消しゴム
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