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ぼくのなつやすみ - 旧・小説投稿所A
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ぼくのなつやすみ
- いやー、毎日がこんなに暑いとは思わなかったよ。 -
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みぃ~んみんみんみんみんみんみん…!!
ムシムシムシムシムシ・・・・


「あ…あ…あづぅぅぅぅぅぅい!!!!!」


開放しきった部屋で、悲痛な雄たけびを上げるロン
ギヌス。彼の自慢のクーラーが壊れたリビングは、
サウナ同然の熱気に包まれていた。


「ぢぐじょぉ~….何が悲しくてこんな…」

「壊れちゃったんだもん。仕方ない仕方ない♪」

「リモコンをぺちゃんこに押し潰したの、お前だろっ!!!」


ロンギヌスは暑さにイライラしながら、コップの中のぬるい
麦茶を飲み干す。つけっ放しのテレビには、「猛暑」「異
常気象」の文字がほぼ毎日のように出ていた。


「節電でリーグのプールは使用禁止だし….市営プールは
満員御礼かよぉ。東日本大震災なんてキライだぁあっ!!!!!」

「好きなヤツなんていないよ」


涼しい顔で、カイオーガは寝転んで朝○新聞をペラペラめくっ
ている。そのリモコンを破壊した巨体の中には、さぞかし大量
の水分が詰まっているのだろう。ロンギヌスの顔には、しっかり
と「羨ましい」の文字が。



ウィィィーン…!

「カイオーガ、おはよう」

「ギラティナぁあああああああっ!!」


母親に抱きつく息子のように、カイオーガはギラティナの胸
に飛び込んでいった。その瞬間速度、時速55km。



「えへへへへぇ~….今日も大好き♪」
「…ああ….私もだ…」

「あの~、ラブラブなのは結構ですがね、お二人さん。部屋の入口で
抱き合うのは止めてもらえますか?」


ギラティナの背後から、部屋に入ろうとラティオスが現れた。巨大
ポケモン二体を全力で押し退け、ねじ込むようにしてリビングに入る。


「ブウ~ッ。僕たちハグし合ってたのにねぇギラティナ?」


ほっぺを風船のように膨らませ、ギラティナに同意を求め
るカイオーガ。当然だが、彼がその意見に反対するはずもない。


「いや、全くもってその通りだ….あいつは空気が読めないタイプだな」

「なんだか最近のギラティナさん…遠慮が無くなってきましたね…」


蚊帳の外のラティオスには見向きもせず、二匹はお互いをさら
に強く抱き締める。相思相愛とは、まさにこの事だろうか。


「…マスター、あの二人をくっ付けてしまって大丈夫なんですか?」

「え!? あっ、まあいいんじゃない!!? ハハハハ…」


そう言ったロンギヌスの表情は、明らかにオドオドして
いる。何か裏があるなと踏んだラティオスは、誤魔化そ
うとする主人をテーブルに押しつけた。


「私の眼を欺こうだなんて300年早いですよ。あの二人に何をされました?」

「い、いやぁ~….昨日あいつらに倉庫に連れていかれたと
思ったら、あんなコトやこんなコトを三時間ぶっ続けで…」

「…つくづく呆れました」


もう手遅れだと諦めたのか、ロンギヌスから手を離すラティオ
ス。かなり疲れた溜め息をつくと、翼をたたんで椅子に腰掛けた。


ピーーーン。

テレビ『ニュース速報です。一斗缶による死体遺棄事件
に、大きな動きがあった模様です。現場の山本さぁーん?』


「へぇ…あの事件まだ解決してないんだ」

「…マスター、ニュース毎日見てます? そんな一発で犯人
逮捕できたら苦労ないですよ」


ラティオスの小言がロンギヌスに突き刺さる。そういえば
ここ最近、世間の話題を全然知らない。新聞もカイオーガ
やレムリアが暇つぶしに読むくらいだ。(つまり新聞代の浪費)


「このご時世、不況ですけどマスターにも無関係じゃないんですよ?
どうします? もし突然、リストラされたら」

「リ、リストラかぁ…そういや最近、ここの予算が4割も
減ったんだよな。震災への寄付金とやらで」

「簡単に言えば、イッシュリーグなんかに回す金は無いってことですね」

「ハッキリ言うなよ傷つくなぁ…」


威厳あるはずのチャンピオンは暇そうに爪を噛み、椅子の
背もたれにグッタリしている。この長年居座ってきたチャ
ンピオンの座も、そろそろ潮時なのかな・・




「あれ、そういやバビロンは? 今日は朝から見てないけど」

「自分の研究室にずっと籠もってますよ。何か実験してるようですが」

「へぇ~……」


バビロンの強い要望で、リーグの地下にわざわざ増築
した小さなラボ。彼がそこで何をしているのか、少
なくとも一般人には理解できない内容だろう。この間
ロンギヌスがガイアメモリを貸したときも、たった
50分で解析完了してしまった。今ではバビロン自身
が、規格外のメモリを次々に独自開発している。


「まあ彼もひねくれ者ですから、何を起爆させても驚か
ないようにするべきですね」

「フフ…ひねくれ者か。よく分かってるじゃないか」


ラティオスが半年振りに悲鳴を上げた。彼の背後には、バビ
ロンがにやにや笑顔で立っていたのだ。赤ん坊のように絶叫
してしまったのを恥じたのか、ラティオスの頬が朱色に染まる。


「バ、バビロン……」

「おはようマスター。朝食あるか?」

「今何時だと思ってる!? 午後二時だぞ!!」

「知ってる。私の体内時計は電波タイプだからな」

「な、なるへそ…ってそうじゃない!!!昼食ぐらい自分
で作れって言ってんの!」

「ほう….自分で、か…」


その瞬間、バビロンの眼がキラーンと光った。喰われる
ことに関しては、歴戦の勇者(?)のロンギヌス。急いで
ポケットから避難用のメモリを取り出そうとしたが、バビ
ロンには予測ずみの行動だったようだ。


「いでででっ…!! み、耳をハミハミするなあっ…!!!!」

「フフ…それではご主人様のご命令どおり、自給自足するとしようか」




<2011/08/17 21:14 ロンギヌス>消しゴム
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