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肝試し − 旧・小説投稿所A
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肝試し

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カル「さて、続きを話そうか。」

プル「次はハイトだな・・・」

サバ「そういえばトールがハイトのことを『ベク兄』なんて呼んでたけど・・関係ある?」

カル「大ありだな。ハイトの生前の名前は『ベクトル』だったし、双子の弟たちがいて名前がトールとボルトだしな。」

サバ「それで『怠惰』なんだ・・それでもここに閉じ込めるだけの罪は犯したわけじゃ・・・」

プル「サバランの言いたいことは分かるが、すべての物事には限度がある。怠けるにしてもそれで他者が死ぬことがあれば立派な罪だ。」

サバ「つまり、ベクトルは自分の仕事を他者に押し付けて、押し付けられた側は亡くなったわけか・・・」

カル「そうだ。押し付けられた竜は偶然にも竜狩りに来ていた人間に見つかって殺された。」

サバ「それでもベクトルは・・・」

カル「サバラン・・・確かに誰だって怠けたいときはある。でもそれで他者を死なしてはいかん。ベクトルはそれをしたから罰を与えるだけだ。」

サバ「・・・・・・・・・・・・・・」

プル「次行くぞ。オウモルトだが・・・凄腕の医師だった。人間の治療も竜の治療も動物たちの治療だって一流だった。」

カル「その所為であいつは図に乗り、どんどん傲慢になっていった。」

プル「そんなある日あいつはミスを犯し人間を殺してしまった・・・」

カル「そのミスを素直に反省すればよかったんだが・・・」

サバ「他者に押し付け、その者を自殺させたと。」

プル「確かにそうだが。訂正がある。」

訂正?

カル「あいつはその地位とプライドを守るためにその者を『自殺に見せかけて殺した。』」

サバ「!?」

プル「というよりそいつを食って行方不明にした。」

サバ「確かに食ってしまえば死体は見つからないからな・・・あの喋り方からは想像できるわ・・・」

カル「そうだな。じゃあ次行くぞ。つぎは・・・ナイドだな。」

ナイドか・・・ナイドは『嫉妬』だから誰かに嫉妬して殺したのか・・・


で、カルの話だとこうだ。

とある竜の里に仲良しの兄妹がいた。
兄のほうは妹が生まれる前までは里で二番目に知識があった。
ただ妹が生まれると妹のほうが知識があり、数ヶ月で追い抜かれた。
その里では一番知識があるものが里長になれるが兄は妹に負け、里を出て行った。
兄は人間を誑かしある青年を攻撃させ、森に捨てさせた。
妹はその青年を助けるが里の竜たちはそんなこと許すはずがなかった。
でも妹はその青年を介抱し、帰した。
その後妹は里を出て行き、とある竜使いの使い竜になった。
兄は妹が里を出て行ったことを知ると里に戻り、自分が里長になった・・・・

サバ「ちょっと待てこら!それって思いっきりセイレーンの過去話じゃん!?」

プル「そうだ。つまりあれはすべてナイドが仕組んだことだったわけだ。」

サバ「マジかよ・・・・」

カル「他者に妬くのはかまわん。けど・・さっきも言ったが限度がある。ナイドの場合はそれを超えてた。」

プル「ちなみに、ナイドの生前の名は『ハイド』だ。」

サバ「セイレーンが『ハイド兄さん』って呼んでたわけだ。」

カル「次で最後だな。ゾヌンだが・・・」

サバ「ゾヌンは『憤怒』だろ?今のあいつからは想像ができん・・・」

プル「だろうな。あいつには妹がいたんだがその妹が厄介でな・・・」

サバ「どういうことだ?」

カル「その妹はどこにも嫁がなかった。ゾヌンは長男だから家を継がなければならなかった。それで妹にはどうしても嫁いでほしかったんだろうな・・・」

プル「見合いさせては失敗、また失敗。それで怒ったゾヌンは妹に聞いた。どうして失敗するんだとな。そしたら・・・」

カル「妹は見合いのときに『自分は嫁ぐ気はない!なのでさようなら。』答えているといった。それを聞いたゾヌンは・・」

サバ「ゾヌンは?どうしたわけ?」

カル「妹を磔にし殺したんだ。実の妹が嫁がないと言っただけでだぞ。」

サバ「あれ?こういう話どこかで・・・」

プル「一応罪竜たちについてはこんなところだろう。」

カル「次は『絵本』についてだが・・・また休憩を入れよう。また話しつかれた・・・」

サバ「そうだな。」

こうしてまた休憩を挟んでからカルたちは『絵本』のことを話し始めた。


<2011/09/27 18:51 リオ>消しゴム
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