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【保】易すぎる依頼 − 旧・小説投稿所A

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【保】易すぎる依頼

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…それで今町の外、言っちゃえば目的の場所付近まで来た。
準備自体は時間がかからないからすぐに出てくることが出来た。ある程度身を守るために護身用の短剣とか持ってるけど、これでも俺は拳で語るタイプなんでね。剣に頼る気はないが、念のためってやつだ。
それはそうと、地図を見る限りこの辺だってのはわかってる。あとは少し目を配って探してやれば…。

「…お、あれか?目当ての洞窟は」

1つの洞窟が目に入り、入口にまで立ってみる。
辺りを見渡しても他に洞窟は見当たらないし、第一洞窟自体そうないからここで合ってるだろ。
そうとなれば早速依頼を終わらせるために向かうとしますか。

「んじゃ、お邪魔するぜ…って寒っ!なんだこの寒さ!」

数歩踏み入れたところですぐに足は止まった。
寒さが尋常じゃない。確かに洞窟は外より気温が低くて寒いとか感じることはあるかもしれないが、今の体感温度だと寒冷地帯にでもいるんじゃないかと思うほどの寒さだ。洞窟でこんなのあり得るか?

「…とにかく立ち止まっても依頼は終わらない。さっさと奥に行こう」

こんな寒い洞窟に花が自生してるのか?という疑問を頭に思い浮かべながらも、行ってみるしかない。百聞は一見にしかず、とも言うし。









どれくらい歩いたんだろうか。寒いから歩みも遅く、寒さのせいかどうも感覚が鈍ってる。
だとしても相当奥まで来たんじゃないかと思う。長年の勘でしかないが…。

「……この洞窟、やっぱり昨日聞いた噂の洞窟なのか……?」

ここを歩いていながらそればかりをずっと考えていた。普通こんなにも寒い洞窟があるはずない。
となれば昨日聞いた噂は本当だったということか?いや、本当なんだろう。現に俺が今いる洞窟がそうなんだから。
だとしたら…この寒さは何者かの仕業か?あの噂だと人が手を加えてないのにも関わらず、何か施されている…と言ってた。
言い換えれば、人以外の奴がここにいる…と考えることも出来るわけだ。そうなればこの寒さもある程度納得は出来る。
そうなると、これは…ただの依頼だけで済むか怪しくなってくるな。

「何はどうあれ、進むしかないな…」





それから数分…ぐらいだろうか。ようやく広い場所に出た。一言で表せば大きな鍾乳洞といったところだろうか。
これ以上先に道は見えないから、多分ここで終わりか。となれば目当ての物があるとしたらここになるが…。

「問題は、依頼のものが「本当に」ここにあるのか…ということだ」

あれから考えてみたが、こんな依頼であの報酬金はおかしいし、普通なら何かしら裏があると考えるべきだ。
それで来てみたらこんな極寒の地のような寒さがする洞窟と来た。疑わない方がおかしい。
そこにさっき考えてた「何者か」という要素が加わると…今まで一本道だったこの洞窟でそれがいる場所は、もう決まってる訳だ。

「…いるならいるで返事して欲しいな。俺そういう気配とかわかんねぇから、出来ればこの呼びかけで出てきてほしいんだが」

意を決してこの洞窟にいるであろう何者かに声をかける。いなければ俺としては嬉しいんだが…そう簡単にいくものかどうか。
だが結果は、案外すぐ返ってきた。

「ククク…まさか、我を自ら呼ぶとはな。此度は面白い客が来たようだ」

「…やっぱり何かいるのか…」

いつ何が来てもいいように構える。短剣ごときじゃ敵わないだろうから、しっかりと拳を構えて。
しかし出てきたのは俺が予想してたものを遥かに超えるものだった、

「竜…だと…!?」

「クク…何を驚いておる?よもや竜を見るのは初めてか?」

俺の目の前に現れたのは竜。それも馬鹿でかい。俺なんか平気でぺしゃんこにされるだろうくらいでかい。
見た感じ、体色は水色で様相は一般的に言う竜と変わりはないが…。

「っ…この寒さを生んでるのはお前か?」

「そうだ…というより、我しかいないとわかってるのだろう?」

「まぁな…この一本道で道中何もないとなれば、ここにしかいないわけで、出てきたのはお前だけってなれば、お前しかいないんだよな」

「それぐらいはわかってもらえんとなぁ」

「んで、だ…お前にいろいろ聞きたいことがある。気になることがたくさんあるんでな」

「呼んで早々に質問と来るか…まぁ良かろう。久しい来客となるわけだ、それぐらいは許さねば」

まだ俺にも猶予はあるってことか…なら聞きたいこと聞いて、スッキリしておかないと死に目が嫌なものになりそうだ。
それに、大型のモンスターと遭遇することなんて滅多にない。しかも竜と来たもんだ。内心は落ち着いていられないぞ。

「ならまず…お前、あの狐野郎と手組んでるだろ?」

「狐、と申せば我の元に餌を手引きしてるあの者のことか」

「やっぱりな。あいつの依頼受けてここに来たんだ。そうとしか考えられないよな」

「しかしここに来たものは皆そう聞くものだ。必然とも言えるだろう」

「…なら次だ。どうして被食者である狐野郎と手を組んだんだ?普通ならバクッと食うもんだろ」

「それは予想外の質問だ。では答えてやろう。我はあ奴と手を組むことで、効率のいい利益を双方に与えてるのだ」

「効率のいい利益…?」

「我はあ奴を食わない代わりに、餌を持ってくると言う条件を課した。そうしてる間はあ奴の身の安全を保障するというものでな」

「……なるほど。つまりあの狐野郎を使うことで、自分は楽に餌にあり付ける。それで向こうは責められてもお前がいるから安全ってわけか」

「物わかりが良い客だと良いものだの。ではそろそろ、我も腹の虫が黙っていないようでな…」

「話はここまでか…なら、やるしかねぇ!」

グッと拳に力を入れ、改めて構える。俺だって簡単にやられるつもりはない。出来ることならここから逃げて帰りたいもんだ。
けどそれが出来るかは自分次第だ。全力で挑むっ!





<2011/07/06 22:45 ヴェラル>消しゴム
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