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ガタン・・・ガタタン・・・キィ・・・
カンカンカン・・・・カタン・・・

『まもなく、甲南山手。甲南山手です。お出口は左側です、お降りの際はお忘れ物の無い様お気をつけください。』

っは！ってまだ山手か。セルモスは・・・オイ（汗）

「セルモス、起きろ。Ｃ寝台やってんじゃねぇ。」

ゲシッ！

そういってから床で寝ている竜に一発蹴りを叩き込む。こうでもしないと起きないのだ。

「むがぁ〜。はほ五分・・・・」

「五分か、よし分かった・・・なんていうかと思ったか！？寝呆すけドラゴンめ！」

もう一発！と、さすがに痛かったのか目を覚まして起き上がる竜。っと、Westビジョンに当たるって！液晶は高いんだぞ！

「おはよ〜。眠っ」

　はぁ・・・・。
おっと、紹介がまだだった。俺は長谷川　省吾。県内の工業高校に通う高校生だ。んで、床で（はた迷惑な）Ｃ寝台を満喫してた竜がセルモス。訳あって同居してる。なんでも神様と取引して普段は俺以外には人間に見えるらしい。昼間の乗客の少ない時間で良かった。とはいえ、周りの視線が痛いので隣の車両へ移動する。
今日は大平の誘いで大阪の某遊園地へ行くことになっている。そのためにＪＲで移動中というわけだ。ちなみにＣ寝台ってのは普通車座席床や網棚で（信じられんが実際に網棚で寝た人もいるらしい）寝ることで、正式な寝台ではない。もちろん、寝台料金はかからないが、下手をすれば次の駅で車掌に放り出されてパトカーという特別車に乗れるかも知れないという素敵なオマケ付の乗車方法だ。

『甲南山手、甲南山手です。』

「Ｕ○Ｊってどんなんだろうね〜♪ショップで何売ってるのかな〜♪」

「まあ、外資系だから日本の遊園地とは一線を画してるな。実際、都市を再現したっぽい区画もあるし。あと、俺の財布の中も考えてくれよ。」

　車両間の貫通路に引っかかったセルモスを押し込みながら軽く説明しておく。傍若無人に振舞われたらたまったもんじゃない。
そんな俺たちを乗せながら普通高槻行きは一路大阪へ向けて駆けていく・・・

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