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【保】迷い人 − 旧・小説投稿所A

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【保】迷い人

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『うぅ…だめだ…』

僕の手は限界だった…そしてシィナの手を離してしまった…

『きゃぁぁぁ…』

巨大な竜はシィナを咥えると美味しそうにモグモグと口を動かしていた…そしてゴクン…という音と一緒に喉の膨らみがお腹の中へ消えていった…

『あぁ…そんな』

そして次は僕だった…逃げることもできずに僕は舌に絡められ口の中へ運ばれた…

『うわぁぁぁ…』

噛み砕かれる…!そう思ったがなぜか牙ではなく歯茎や舌で揉まれてしまう…

『な…何を…』

僕は赤面した…だがシィナに続き僕も喉奥へ押し込まれ呑み込まれた…

『ゴクン…ケフッ』

僕達を呑んだ竜はそのままゲップをすると先ほど逃げ出した巨木へ飛んでいった…竜の腹の中は想像以上に暑くそして柔らかい肉壁が僕を溶かそうと圧縮してきた…

『シィナ…!』

シィナも僕と同じく肉壁に揉まれすっかり心地よさそうな笑顔で揉まれていた…

『孤人さん…もう助からないよね…せめて最後は気持ちよくなろう…』

彼女はすでに溶かされ始めていた…僕も…もう長くない…

『…せめて怖くなく…だね…』

僕はそう言いシィナを抱きしめた…彼女も嬉しそうに抱きついてきた…だがそこで急に竜の腹である変化が起きた…?

いきなり空気が僕らを覆う…吐き出されたのだ…

『ゲホッゲホッ…』

胃液をまともに飲んでしまい僕らは咳き込んだ…

『ウフフフ…ここから逃げ出せる威勢のいい子がいたなんてね♪』

目の前には巨大な蛇女がいた…そして手に持ってた物に見覚えがある…!

『俺の刀…!』
『返してほしいのかしら…?でもこれが条件ね?』

蛇女がそういうとシィナが蛇女の口の中へ運ばれモグモグと口を動かした…

『…シィナ…!このや…』

言い切る前にシィナは吐き出された…がシィナじゃなくなっていた…

『嘘だろ…?』

シィナの顔つきがある蛇女になっていた…耳のある蛇女に…

『こんな風に食べた相手を同族にしちゃうのよ…♪あなたも私達と同じにしてあげるわ♪』

そして蛇女の口が僕の頭に食らいつき…一気に包まれた…

『…』

静かで抱かれるような気分になって…そして吐き出された…

『…ママ』

BADEND4 蛇族へ転生…



<2011/11/24 00:03 狐人>消しゴム
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