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エンペラーフェスティバル − 旧・小説投稿所A

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エンペラーフェスティバル
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お勧めBGM:『Pokemon Movie 11 END "One"』



「あの幽霊野郎….やったみたいだな…」

喉の調子も落ち着いてきたのか、バビロンは壁に身を寄せて
座り込んでいた。黒い翼を折りたたみ、安堵と落着のため息をつく。

「はぁ….ん?」

廊下に倒れているおびただしい数の団員。その中の一人が、意識
を取り戻したのか頭を押さえ、立ち上がろうとしていた。それを
見たバビロンの表情が、幼い子供のようにニヤける。


「….よう」

「はひっ!? あ…お、お前は…!!!!」

目覚めたばかりの視界が捉えたのは、団長が怯えを隠せなかった
人工竜。団員は再びへなへなと尻餅をつき、少しでもバビロン
から遠ざかろうと懸命になっていた。


「フフッ…私もよっぽど嫌われ者らしいなw」

「ま、待て….もう闘いは終わったんだろ!? やめろ…いやだ…」

「…安心しろ。今はそんな気分じゃない…」

後ずさりする団員を横目に見ながら、バビロンはのんびり
した口調で言った。勝利したためか、殺る気も食う気も風
のように流れ去っていた。



・・・・・



二人の間に流れる、気まずい沈黙。敗けた方の団員からして
みれば、素直に立ち去るのが至難の技に感じた。逃げきる
前に、背後から襲われるかもしれない・・・


「…行かないのか? なら喰っちまうぜw」

「ひっ…!!」

「ハハ…冗談だよ。いいからとっとと出て行きなぁ…?」

疲労が重なったのか盛大なあくびを見せ、眠そうな顔を腕の
中にうずめるバビロン。竜が体操座りする光景など滅多にお目
にかかれないが、団員は背中に不安感を募らせながら、出口に
向けて走っていった。



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ーーーその後の話をしよう。
そこら中で起きた爆発で、ほぼ全壊にまで追い込まれたポケモン
リーグ。その修復費用の大半は、「自分にも責任はある」という
理由で、シロナが管轄するシンオウリーグから進呈された。これ
にはロンギヌスも直々にシンオウへ赴き、シロナに深々と頭を
下げたそうだ。

また、政府から三地方の悪党を撃退したとして、リーグには
特別勲章が授与された。カイオーガ達の懸賞金も、全部チャラ
にしてくれるらしい。

そして最後は、ギラティナの件だ。
事件後、リビングに戻った彼を待っていたのは、感謝と
祝福の言葉だった。感謝はもちろん、危険を顧みずにサカキ
と闘ってくれた事に。さらに祝福は、正式に「仲間」になっ
た事に対して。



そして三日後・・・
青空の下で、工事中のリーグを見上げるロンギヌスの姿があった。



「……よく耐えてくれたよな…ここも…」

自分が引き起こした事件のせいで、リーグには無数の傷を
付けてきた。何回もの爆破を受けながらも、限界まで自分達を
守ってくれた。ロンギヌスにとって….チャンピオンバトルで
敗れない限り、ここは我が家なのだ。



「マ〜ス〜タッ♪」

「わっ…!!」

突然、カイオーガに背後から飛びつかれる。
彼の幾度となく触れた柔肌に抱きしめられ、
つい妙な声が出てしまう。


「ギラティナがね、何か言いたい事があるんだって〜!」

「え….」

カイオーガのヒレを首に巻きつけたまま、さっと後ろを振り
向く。そこには初対面のときより、自然な笑顔を取り戻した
ギラティナの姿があった。




「マ…マスター…と呼べばいいのか?」

「おう♪」

「でもリビングが狭く…」

「増築するよ」

「悪さすれば叱られるのか?」

「おう♪」

「迷惑をかけると…思うぞ?」

「こいつらもだw」


ロンギヌスの笑顔、カイオーガの笑顔、ギラティナの微笑み。
それらが同時に現れた瞬間だった。そして・・・・・





「……泣いて…いいか?」

「…おう♪」

笑顔のままこぼれ落ちる、たった一筋の涙。
それ以上でも、それ以下でもない。

ただ…..もう悲しさからでは無かった。









エンペラーフェスティバル おしまい




読者の皆さん、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
<2011/07/28 18:56 ロンギヌス>
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