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凍りついた時間を溶かす者 − 旧・小説投稿所A

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凍りついた時間を溶かす者
− 拷問 −
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「ククク、もう諦めるのか?」

声が聞こえたその刹那、僕を拘束していた奴の尻尾から力が抜け、体の無意識な反応で一気に空気が肺の中に入り込む

入り込んだ空気と、出られずにいた空気が互いにぶつかり合ったのか、僕は激しく咳き込んだ

「ゲホッ…ゲボッ、うぅ……」

口からは真っ赤な鮮血が流れていた

ギラティナはその真っ赤な血をペロリと舐めると、ニヤリと笑った「我輩が貴様を楽に殺すとでも思ったのか?」

「ゲホ……えっ……」

「ふん、まぁいい。お前をいたぶるのにも飽きてきたところだ、このぐらいにしておいてやろう」

その一言を聞くと、今までの緊張感が緩まった気がした。でも、それは間違いだった

「安心しろ、すぐにでもお友達の所に連れていってやる」

締め付けは緩まったまま、僕の体がギラティナの尻尾と共に上昇する

そして僕は奴を見下ろすような高さにまで上げられた

「な、何を……」

「なに、大したことではない。これから我輩の腹の中に入ってもらうだけだ」

ずるりといやらしく舌舐めずりをすると、ギラティナは口をガパッと開けた

「えっ! ちょっ! ま……」

最後まで言う前に僕の体はギラティナの尻尾から離れて、一瞬宙に浮く

そしてすぐに重力と言うものが働き体はそれにつられて動く、その先には見たこともない暗くて、恐怖を掻き立てられるような洞穴が、ぽっかりと空いていた

「――っ!」

ほんの一瞬がとても長く感じた。僕の小さな体はギラティナの大きな体にはちょうどよい大きさなのだろう

“バクンッ!”

その暗くて暖かい空間にすっぽりとはまってしまったのだから




「うわぁぁ! やだ! まだ死にたく――」

さっきまで、死を諦めていた僕にもそう叫んでしまう

それほどまでに怖かったのだ、恐ろしかったのただ。ただ、それを叫ぶことで忘れるという権限さえも、今の僕には与えられなかった

大きな揺れと共に僕は柔らかいギラティナの大きな舌の上に押し付けられてしまった

「あまり騒がしくすると、更に追い討ちをかけるかもしれないのだが。今のようにな」

「んっ! んぅーー!!」

息がうまくできなくて、舌の上を力の限りに叩く。それも奴には無意味だった

「ククク。我輩をもっと楽しませてくれ」


<2011/10/03 00:48 ルカ>消しゴム
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