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凍りついた時間を溶かす者 − 旧・小説投稿所A
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凍りついた時間を溶かす者
− 抵抗するものたち −
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「な、何だよ。これ」

必死に巻き付きから解放されようと、体を動かすゾロアだったが、意味はなかった

「待ってて、今行くから!」

ラルトスが走り寄ろうとしたとき、まるで地を這うような声が響いてきた

「ククク。わざわさ死にに来るのか?」

「えっ!」

それから、高い木々に覆われた所からガサガサとその正体を表した

「あ……あぁ」

そのあまりの巨大さに、僕らは声が出なかった

「なんだ、我輩の顔に何か付いているのか?」

不気味に笑いながら、そいつは言った

信じられなかった、体長が少なくとも僕らの四、五倍はある、こんな生き物がこの世味に舌舐めずりをすると、ゾロアに顔を近付けてその大きくて肉厚な舌を、リオルを舐めた

「う、うぇ……」

声と呼べるのかというぐらいの喘ぎ声を出して、ゾロアはむせた

「な、何しやがる……」

「なに、少し味見をしただけではないか」

「味…見?」

「そう、味見だ。こんな場所にのこのことやって来るお前たちだからな、何か仕組まれていたら困るのでな」

「ゾロアを離しなさい!」
ギラティナの身の毛もよだつ恐ろしい声を無視し、ラルトスは叫ぶ

「ククク、かわいい子ちゃんは最後にいたぶってやるから大人しくしてな」

どす黒い深紅の眼に睨まれたラルトスは、ビクンッと反応すると、その腕がだらりと力なく垂れた

「いい子だ。さて、待たせたな我輩のごちそうよ」

ギラティナはそう言うと、再度ゾロアをペロリと軽く舐めると、閉じていても大きい口を更に上下に大きく広げた

ギラティナの牙が、月夜の光に照らされて透き通った輝きを放っていた

「う、うわあああ!」

「ゾロアをはなせぇぇ!」
さっきまで呆然と立ち尽くしていた僕も、ゾロアの叫び声でハッと目覚めて、無我夢中でギラティナに向かって走っていた

「なんだ、まだいたのか」
ギラティナは、大きく広げた口をそのまま僕に向けた
そして気がついた時には、僕は吹き飛ばされていた

「リオル!」

地面に体を叩きつけられ、あまりの激痛に息がうまくできない

「ぐぅ……ゾロ…ア」

かすれゆく意識のなかで、ゾロアの叫び声と、何かが閉じられた音が聞こえたような気がした

それから僕は真っ暗な闇の中へと、落ちていった


<2011/09/29 21:19 ルカ>消しゴム
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