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【保】夏のある日 − 旧・小説投稿所A

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【保】夏のある日

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※最終話です。

少女との付き合いが始まって三ヶ月経った。
少女は毎日アレイのところに来るようになった。
アレイもまた、彼女に会うのを楽しみにしていた。
だが、そんなことも長く続かなかった。
なぜなら、少女とアレイが居るところを、
少女の元彼氏に見つかってしまったからだ。
噂は瞬く間に広がった。
そして、いつものように少女とアレイが一緒に居る
森に、街の男達がたくさんやってきた。
アレイは、その気配をすぐに察知した。

「・・・何だか騒がしいです」
「え?どうしたの?」
「街の人たちがたくさんこの森にやってきてるです」
「え!?何で!?私あの人以外には何も話してないよ?」
「おそらく、たまたま街の人たちが見かけたのでしょう」
「だからそれを確かめようとしてたくさん人が来たに違いないと思いますです」
「・・・私皆のところに行ってくる!」
「あっ!待つです!」

少女はアレイの制止も聞かずに駆け出していった。
そして、少女が街の人たちのところに来ると、

「待って!皆!」

と大きな声を出して街の人たちの行く手を遮った。

「どうしたんだ?この森には竜が居るんだぞ?」
「誰から聞いたのよそんな話!」
「お前の『元』彼氏からだ」

少女は返す言葉を失った。

「お前、竜と恋愛してるんだって?馬鹿馬鹿しい」

そして、街の者達が再び歩き出そうとすると、
森の奥から竜、アレイがやってきた。

「こっ!こいつだ!こいつがあの竜だ!」

一人が叫ぶと、街の者達の視線も一気にアレイに向かった。
アレイはまったく動じなかった。

「竜さん!」

少女がアレイに駆け寄ると、アレイは少女の顔を
一舐めしたあと、街のもの達を睨んだ。

「やっ・・・やっちまえ!」

街の者の一人が叫んだと同時に、
街の者達がアレイに向かって突撃してきた。
アレイは、素早く街の者達を尻尾でなぎ払うと、
少女を口にくわえた。
そして、アレイは少女を口の中に収めた。

「きっ・・・貴様!」

男の一人がアレイに突撃した。
アレイは、そのまま少女を飲み込んだ。

ゴクン・・・

辺りに不気味な音が響いた。
男達の顔が一気に青くなった。

「この竜、あの子を喰いやがった!」

男が叫ぶやいなや、全員アレイに向かってきた。
アレイは、そのまま翼で羽ばたき、上空へ飛んで行った。
男達は、その様子を黙って見ていた。
そして、アレイは遥か西へ向かった。
少女と二人きりで暮らすために、
遥か遠い西の国へ向かった。
少女は、アレイの胃の中で静かに眠っていた。
アレイもまた、幸せそうに西の彼方へ飛び去っていった。


TheEND・・・




※最終話が終わりました。
なんか恋愛ものになってるものは気にしないw
また時間があれば書こうと思っています。
ではまた!
<2011/06/03 21:30 伶>
消しゴム
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