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【保】夏のある日 − 旧・小説投稿所A

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【保】夏のある日

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ある夏の暑い日、一匹のドラゴンが森に居た。

「う〜、なんでこんなに暑いんですかぁ〜」

と、そのドラゴンは言った。

「少し川で水浴びでもするですか」

ドラゴンはゆっくりと立ち上がり、川の方へ向かった。

そのドラゴンの名前は「アレイ」
昔森の奥深くの山から降りてきた一匹のドラゴンである。
歳は12で、まだまだ子供のドラゴンである。

「やっぱり水浴びは気持ちいいです♪」

アレイは水を浴びながら言った。

「何か甘いものが食べたくなってきたです」

ピタリと水浴びをやめ、街のほうを向いた。

「あんまり気が向かないですが、人の姿になるですか」

そう言うと、アレイの体は光に包まれ、
光が消えたころには竜人の姿になったアレイが居た

「尻尾と翼は仕方ないです」

アレイは街へ向かった。

「人の姿ってこんなにも動き辛いものですか」

一人愚痴をこぼすと、喫茶店へ入った。

「いらっしゃいませ」

店へ入ると店員の声が聞こえる。
アレイは奥の席へ座った。

「ご注文は何ですか?」
「アイスコーヒーとショートケーキで」

注文を受け取った店員は店内の奥へと入っていった

「それにしても涼しいです」

店内を見回しながらアレイは言った。
しばらく待つと店員が、

「お待たせしました」

といってアイスコーヒーとショートケーキを
運んできた。

「甘くておいしいです♪」

ショートケーキを食べながら、
アレイは言った。

「ありがとうございました」

食べ終わったアレイは、森へまた戻った。
森に戻ったアレイは、また光を発し、
ドラゴンへ戻った。

「むぅ、ここ最近気を吸ってないから、
変身のキレが悪いです。
何かありませんかねぇ・・・」

辺りを見回すと、一人の少女が居た。
こちらをまっすぐ見て、動こうとしない。

「何見てるですか?」

アレイが話しかけると少女は、

「あの、私を・・・食べてくれませんか?」
「え?え?冗談ですか?本気ですか!?」

アレイが戸惑いながら少女に聞くと、

「私、よくいじめられるから、それを忘れようと思って・・・」

少女が言った。
アレイは、
(むぅ、この少女からは負の気が感じられるです)
と、思いながら、

「本当に食べていいですか?」

と少女に聞く。

「いいよ・・・あの、消化しない?」
「僕は消化とか、野蛮なことはしませんです。
でも、君の負の気を消化するです」

アレイは少女に言った。

「なら・・・私を食べて?」
「・・・じゃあ、頂きます・・・」

アレイは優しく少女を尻尾で持ち上げ、
口元へ寄せた。

「じゃあ、いきますよ?」
「・・・どうぞ」

アレイはもう一度聞くと、
口を大きく開け、少女を口の中へ入れていった。
そして、口の中へ少女が入ったのを感じると、
口をゆっくり閉じた。

「竜さんの口の中・・・暖かい・・・」

少女は舌に触りながら言う。
アレイは、少女の放った言葉を聞きながら、
少女を喉元へ押しやっていく。

「きゃっ・・・」

少女の悲鳴が聞こえたが、
アレイは仕方が無いという風で、

 ゴクン!

ついに少女を飲み込んでしまった。
アレイは飲み込んだのを感じると、
お腹のほうへ手をやった。

「んん・・・」

少女のくぐもった声がアレイには、
はっきりと聞こえた。

「きゃあっ!」

少女は、少し狭い空洞へ落ちた。
そう、胃だ。

「・・・」

アレイは、少女が胃に居るのを感じ取ると、
ゆっくりお腹を揉み始めた。

「きゃあっ、何?」

少女は突然動き出した胃壁をじっと見ている。
そして、胃壁から胃液とは違う体液が出始めた。

「・・・怖い」

少女はそれに恐怖感を持ちながら、
じっと見ている。
そして、少女の背丈ぐらいまで
体液が溜まると、
徐々に少女が崩れ落ちていった。
少女は気絶してしまった。
そして、少女から黒い霧のようなものが
出始め、それが胃壁に吸収されていった。

「あぁ、うぅ」

アレイは喜びと嬉しさ感じ、
声を上げた。
そして、少女の体から出る
黒い霧は徐々に少なくなり、
最後には全くでなくなった。

「ご馳走様です」

アレイはそう言うと、少女を吐き出そうとし始めた
胃壁をうまく使い、喉へ押し上げていく。
少女の体は、口内へ戻された。
そして、口内へ戻ったのをアレイは感じると、
手の上に少女を吐き出した。
少女は気絶したままだったが、その顔は
どこか嬉しそうだった。

「また、いじめられたら食べてあげるです。
今度からは遠慮しずに来てください」

アレイはそう告げると、森の奥へ帰っていった。
少女には、それが聞こえていたのだろうか・・・




The End・・・

※グダグダだと長くなってしまいましたが、
これで一話は終わりです。
後、もう少し続けようかと・・・
<2011/06/03 21:29 伶>
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