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【保】不思議な体験 − 旧・小説投稿所A

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【保】不思議な体験

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 あれから二ヶ月が経った。定期テストも終わり、成績が下の上から上の下位まで上がり褒められた。が、あまり嬉しくなかった。今したいのは彼にお礼を言うことだけだった。
 今日も帰りの電車に乗る。流石にあれだけ怖い思いをした路線には乗れず、学校から近い別の会社の路線を使っている。まだ発車時の急加速に慣れなくて、毎日よろけて隣のサラリーマンに睨まれているが…
乗り換え駅についた。定期の関係上地下鉄よりも私鉄の方が安いので三十分ほど余分に時間は掛かるが電車で山登りをしている。秋にもなると、それは紅葉が綺麗らしい。日本有数の急勾配を抱えているが故の平均速度三十キロもそれに拍車を掛けているのだろう。山の中を登る電車に揺られながら彼の事を思う。解放されたら何処へ行くのか聞けなかったな…
 ふと気が付くともう降りる駅だ。慌てて降りて改札に向かう。家に付くとインターホンを鳴らす。
返事は来ない。今日は両親共々用事があるといっていたな。
 鍵を取り出しドアを開ける。

「ただいま〜。」

返事があるわけでも無いのについ挨拶をしてしまう。
やっぱり、まだ何処かで彼に逢えることを望んでいるようだ。
 玄関でボーっとしていても意味がないので部屋に向かう。
部屋のドアを開けた瞬間、目を疑った。




<2011/06/03 21:17 リオレイア>消しゴム
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