「んくっ……! んんんっ、んんんんんんんんっ……!」
日付は変わって翌朝。森の中にポツンと佇む豪邸の裏に広がる鬱蒼とした茂みの奥深く。そこに掘った穴の上にしゃがみ込んで、限界まで押し広げられた尻穴からモリモリと極太の糞をひり出していたのは――森の主のベロベルトだった。
ルガルガン、何杯もの超特盛のチーズハンバーグカレー、リザードンの首から上と両手両翼。余すことなく消化吸収して、分厚い脂肪のコートを更に分厚くしたものだから、噴き出す汗の勢いは留まることを知らなかった。額から滝のように流れ落ちる汗を不潔なベロのハンカチで拭い取り、穴底に目をやるベロベルト。どうせ世に出すなら美しい作品に仕上げたいところだった。綺麗な蜷局を見て一安心した彼は、鼻から大きく息を吸って、そして止め――
「んむむむむむむぅっ!」
ありったけの力を括約筋に込めて、直腸に残る大便を一気に絞り出す。ブリブリと難なく根こそぎにし、五段巻きの巨大なチョコレートソフトクリームを作り上げた彼は――
ブウゥゥゥゥッッ!
最後に思い切り放屁して、朝の神聖な儀式を締め括るのだった。脳味噌が溶けるような快感に包まれた彼は目をトロンとさせる。
「はぁぁ、スッキリ……! うん、今日も快便、快便! これが永遠に続きますように!」
天に祈りを捧げるベロベルト。が、その直後、彼はブルブルと左右に首を振るう。
「……って! 続いちゃダメだ、こんなの! なんで豪邸に暮らしながら野グソしているかって話だよ! オイラとベロニカのウンチを受け止められるトイレに早く買い換えないと!」
ガックリと頭を垂れるベロベルト。そんな彼の背中に中年男性の声が突き刺さってくる。
「それくらい俺が結婚祝いに買ってやるから、さっさと用を済ませろ! 置いていかれたいのか!?」
「えっ、レナードさん!? いっ……いつの間に!?」
繁茂する草木に遮られて姿は見えなかったが、真後ろに立っているのは間違いなさそうだった。しゃがんだ姿勢のまま背後を振り返った彼は、素っ頓狂な声を上げる。
「たった今だ! あんまり遅いから様子を見に来たのさ! そっ……それと、だな……」
マフォクシーはゲホゲホと激しく咳き込む。
「いきなり俺の方に向かって馬鹿でかい屁をこくな! 気絶するかと思ったぞ!?」
声の調子からして、鼻を摘まみながら喋っていることは明らかだった。手を頭の後ろに回した彼はペロリと舌を出す。
「えへへっ、ごめーん! でも、ウンチの最中なんだから、大きなオナラの一つや二つくらい出るさ! あしからず!」
「むっ……まぁ、それもそうか。迂闊に近づいた俺も悪かったな。……で、さっきの話だが、後どのくらい掛かる? みんな待ちくたびれているぞ?」
止むを得ない。オシッコは道中で適当に済ませるとしよう。その言葉にピクリと反応した彼は、傍らのトレジャーバッグを肩に掛けて立ち上がり、クルリと回れ右をする。
「それならグッドタイミング! ちょうど終わったところさ! 行こう、レナードさん!」
意気揚々と答えた彼だったが――
「ちょっと待て。一つ質問がある」
「えっ……なに?」
マフォクシーの口から返ってきたのは予想外の言葉だった。彼は踏み出しかけた足を引っ込める。
「まさかとは思うが……ケツは拭いただろうな?」
「あぁっ! わっ、忘れてた……!」
そのまさかだった。顎を外しそうになるベロベルト。マフォクシーが声を荒げたのは言うまでもなかった。
「さっさと拭け! 忘れるか、普通!? ベロで拭くんじゃないぞ!」
再び穴の上にしゃがみ込んだ彼は顔を
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