ブゥゥゥゥゥッッ!
「んんっ、臭い……!」
顔を赤くして力一杯いきめば、極太の大便が肛門から姿を現した。雪を掘った穴の上にしゃがみ込みながら当たり前の感想を漏らすベロベルト。黄土色のガスに包まれた彼の眉間に深い皺が刻まれる。
日付は変わって翌朝。今日の初仕事は、彼の養分になるという一世一代の大役を見事に果たしきり、搾りカスとなった獲物たちを大地に還すことだった。開き切った尻穴から汚らしい音と共に絞り出され、茶褐色の大蛇となった三匹のキュウコンは――千切れることなく穴底に尾を下ろし、グルグルと蜷局を巻き始める。
「……よぉし! その調子で出ておいで! もう少しの辛抱だよ!」
穴底に向かって呼び掛けた彼は、鼻から大きく息を吸って止め、そして――
「ふんぬぅぅぅ……!」
渾身の力を下腹部に込め、モリモリと大蛇の胴体をひり出していく。
一段目から三段目までを無事に出し切り、最後に大蛇の頭をブリリと産み落としたら、見るも美しい四段巻きのチョコレートソフトクリームの出来上がり。キュウコンの大首長の予言はここに成就するのだった。
「はぁーっ、スッキリしたぁ……!」
恍惚の表情を顔いっぱいに浮かべるベロベルト。だらしなく舌を垂らした彼は痺れるような快感に身を震わせる。
「さぁて、どんな具合の作品に仕上がったかな?」
忘れずに持参したトイレットペーパーで尻を拭い終えたら、待ちに待った鑑賞の時間だった。屈んだ姿勢のまま後ずさりした彼は、変わり果てた姿となった三匹のキュウコンと丸一日ぶりの再会を果たす。
「……よしっ、バッチリ! 骨までドロドロだ!」
一安心だった。ガッツポーズを決めた彼は勝ち誇った顔で穴底を見つめる。
「残念でした! 潔く諦めて向こうの世界にお行き! オイラに食べられたのが運の尽きだったね、ウンだけに! ……なーんて! あははっ!」
途端に猛烈な寒風に見舞われるも、防寒着のお陰でノーダメージだった。半年ぶりの傑作を心ゆくまで堪能し終えた彼は、三匹を安らかな眠りに就かせるべく、親友のマフォクシーと物々交換で手に入れたスコップを手に立ち上がる。
潰してしまわぬよう注意しながら、柔らかな雪をすくってはかけてを何度も繰り返すベロベルト。穴を埋め終わった後も雪を盛り続けて、土饅頭ならぬ雪饅頭を作り終えた彼は、そこでようやくスコップを傍らの雪に突き立て、額の汗をベロで拭い取る。
「ふぅ! こんなもんでいいや! さっ、漏らしちゃわないうちに……っと!」
一夜にして厚みを増したボリューミーな腹肉を両腕で抱え上げ、腿の付け根に伸ばした舌で雄の象徴を引っ張り出すベロベルト。肩幅に足を開いて雪饅頭に狙いを定め、そして――
「ふぅぅ、気持ちいい……!」
ジョボジョボと黄金のアーチをかけ始める。そのまま最後の一滴まで出し尽くしてしまうのだった。
雄の象徴を元あった場所に仕舞い、クルクルとロール状に巻き取った舌を喉奥に収納するベロベルト。頭の後ろに手をやった彼は申し訳なさそうに苦笑する。
「うーん、お墓のつもりがノメル味のかき氷になっちゃった! ごめんよ、君達!」
謝罪し終えるなり右向け右をして一面の銀世界を望むベロベルト。新しい一日の始まりだった。洞窟の入り口をバックに大きく伸びをした彼はスンスンと鼻を鳴らす。
「あぁ、臭かった! ……でも、半年前に比べたらマシだったかも! きっとヨーグルトのお陰だね! これから毎日食べないと!」
もう一つ習慣づけなければならないことがあった。ジュルリと舌舐めずりした彼は、ニット帽を深く被り、ミトンを嵌め直し、
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