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丘から始まる序曲

ぼくは、フォティス。
この町のいじめられっ子の小学三年生です。
オドオドしているの気に入らないとか、そんな理由で、罵倒と暴力を飛ばす悪童生徒、マルムがいます。
マルムに誘われて仕方なく僕に暴力をふるういじめっ子が二、三人。
学級委員長が助けてくれるけど、本当の友達をぼくは知らない。
いたけど、裏切られた。
ぼくは誰も信じられない。
たとえ声を掛けられても、「ぼくをばかにするきなんだろ」と、それを無視する。
ぼくは悪くない。ぼくをいじめるあいつらが悪いんだ。
早く、小学校から卒業したい。
こんな生活、すごしたくない。


今日のいじめの内容は、一カ月に一回トランペットの美しい音色が出て、そしてその吹く者を見た奴はいなくなるという、その噂の場所、町の一番高い丘の木に縛り付けるものでした。
「お前なんかゴーストに食われちまえばいいんだよ!!」
「明日見に行けば骨も残らず残って無いっすよ。アハハハハ!」
マルム達は丘を降り、見えなくなってしまった。
手首をきつく縛られ、動くことができない。
もがいても、手首が紐に擦られ、わずかに血がにじむだけ。
ぼくは、死んじゃうのかな。
でも、それでもいいや。
こんな生活、死んだ方がましだよ―――。
と、瞬いた瞬間―――


マントを付けたゴーストが丘の先端に立っていた。
夜の優しい風がマントを静かに揺らし、それを美しく見せる。
そしてそれは、トランペットを口に付けた。
そして、奏で始める。


ぼくはその曲に聞き入ってしまった。
美しく、そしてどこか切ない感じを見受けられる曲は、まるでこの世の曲ではないようだった。
誰にも作ることはできないような。
ぼくは、眠くなってきた。
確かに夜っていうこともあるけど、この曲を聴くと安心する。
時間を忘れる。
この曲が永遠を作り出しているようだ―――。



ガササッ



ぼくの近くの茂みが音をたてて揺れた。
ゴーストは吹くのを止め、そこに振り向く。
ドラゴンの頭をガイコツにしたような顔だった。
でも、恐怖は感じない。
なぜだ。
「やっべ・・・」
「なにしてるんだバカ!」
茂みの中にはマルム達がいた。
きっと、トランペットを吹くゴーストが気になって見に来たのだろう。
しかし、ゴーストはマルム達から視界から外さない。
そして、近づいてきた。
無機質に光る黄色い眼は、不気味さを感じた。
「あらあらあら・・・・・・なに?私の曲を聴きに来たのかい?ありがたいねえ♪」
「ひっ・・・!!」
ゴーストの声は低く、しかしいい声だ。紳士的というか。
性別は男性と判断していいだろう。
飄々とした態度は、親近感がわく。
また近くで見ると大柄だ。
三メートル近くかもしれない・・・。
ぼくは怯えずに、マルム達は怯える。
ゴーストはぼくを無視し、マルム達に近づく。
「・・・残念だよ」
ゴーストは飄々とした態度から豹変したように言った。
「ここは「危ないところ」なんだ。それを知っていながら来るなんて、バカながきんちょだな。そういう子はお仕置きが必要だな」
ゴーストがマルムを掴みあげた。
一瞬の出来事すぎて、何が起こったかわからなかった。
「う、うわぁああああああああああ!!!!や、やだあ!はなせええ!!」
マルムが声が枯れんばかりに叫ぶ。
その光景が、痛々しい。
初めてそのゴーストに対し恐怖を覚えた。
「マ、マルムが・・・マルムがぁ・・・!」
いじめっ子の一人が腰を抜かしながら逃げようとする。
しかし、足が持ち上がらないのか、震えたまま動かない。
ぼくも、震えが止まらない。
所詮は人を食らうゴーストなのか?
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まろやか投稿小説 Ver1.53c