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「これで邪魔者は居なくなったな。電気鼠め」
「鈍重なお前なんかに負けないよ!」
ピカチュウが声を精一杯張り上げる。
内心は、酷く恐怖し
その証拠に体はかたかたと震えている。
「クク……どうだろうな?」
クッパがその巨躯を踊らせ、空気を貪る。
大きく一歩を踏み出し、業火を吐きつける。
「あっ……」
一瞬、戦慄を覚え反応が遅れる。
回避も反撃も間に合わないと判断したピカチュウは
慌ててシールドを張る。
身体にダメージが無いものの、確かな熱気が精神を削る。
「ふぅ……」
業火をやり過ごし、小さな息を零してシールドを解く。
「油断大敵だな?」
「!?」
体を半歩捻らせ、その手には剛拳が作られていた。
そのまま捻った分を戻す過程で裏拳を繰り出す。
「がっ!?」
裏拳がピカチュウに直撃。
ごっ、と鈍い音を奏で斜め上空に吹っ飛ばされる。
ダメージは大きく、身動きのできないまま空中を漂う。
「ぅぅ……」
霞む視界のなか、次第に地面が近づく。
どうにかして受け身の体勢を整えようと身を捩る。
「大人しくさせると思うか?」
今度は豪腕がピカチュウを掴んだ。
「ガァッ!」
身を翻す勢いと腕力でピカチュウを地面に叩き付ける。
地面に半分程、減り込み破片が宙に舞う。
「っう……」
ピカチュウはさらなる追撃を回避するために
激痛を堪え、身を起こし後転する。
そして、クッパを見据え再び戦慄した。
「これは何だと思う?」
その手が掴んでいたもの。
光り輝く十字のエンブレムの刻まれた光玉。
スマッシュボールだった。
11/12/04 12:51更新 / セイル

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