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胃底には幾分か胃液が溜められていた。
容赦なく月華を糧とする用意がされていた。
勿論、月華はそんなことを知る事もない。
暫くして嚥下された月華が噴門を生々しい音と共に
こじ開け、胃袋に到達。
重力という自然の摂理には万物が抵抗できる訳もなく
重力に捉えられ胃底に落下する。
「あぁ……う……」
胃液に体が浸かってしまう。
慌てて体を捩ろうとするも、それは叶わない。
先程の胃液にも酷く生気を溶かされ、体の疲労感は酷い。
足が浸かるだけでそこまで奪われるのだ。
体が浸かった今、襲ってくる疲労感は計り知れない。
月華は襲撃してくる睡魔と激闘していた。
意識を手放せば……死ぬ事は分かっている。
だからこそ、意識を手放すわけにはいかないと。
しかし、ガレイドがそれを赦さなかった。
先刻のように胃袋を揺すってきたのだ。
それは甘く温もりに溢れた揺籠のようだった。
最初は抵抗の意を示していた月華だったが
次第に睡魔に屈し、瞼を下ろし始めた。


「私という揺籠で永久に眠るがいい……」


その言葉で張りつめた糸が切断された。
フッ……と月華の意識は途切れた。
ガレイドの胃液が彼女の生気、精神を完全に融解してまったのだ。
目を頑に閉じた月華が胃液に沈む。
「小娘、お前は気に入ったからな。体も頂こうか……」
と、胃袋が収縮し始めた。
どんどんと収縮し、月華を潰すかのようだったが
月華は潰れなかった、と言ったほうが良いか。
胃袋から分離し、色の濃い体の上側に取り込まれていく。
「暫くは私と鏡世を楽しもうか……」
こうしてガレイドの体に取り込まれた月華は
腐敗することなくガレイドと共にある事となる。
事切れたまま、目を覚ます事なく……
解放されるのは何時の日か……
ガレイドの憂鬱か。死か。

           ー 了 ー
           
12/03/03 16:20更新 / セイル

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