「………………………」
城を出て町を出る
外へと飛び出した兵隊たちは自然な空気と草原をゾロゾロと静かに進行している。ところが前方にいる二人の兵士は何やらヒソヒソと話し声が聞こえる
「本当に…行くんですか?ドラゴンを退治に」
「バカ言うな、我々に害を及ぼすドラゴンを倒さねば今度は町に被害が及ぼすかもしれんのだぞ?」
「た、隊長それは分かりますが、ここの森に送られた兵隊のおおよその数はもう百人を越えてます。この森に入った者は皆全員行方不明となっていましたから、行かない方がよろしいかと」
「この腰抜けめ!死ぬのが怖いならてめえだけでも逃げやがれってんだ!!」
ゴ…!!
「が!?」
怒りをこもった顔で小太りの隊長は兵士の頭に握り拳をぶつけて重い拳骨を喰らわせた。兵士の頭からジンジンとした感覚と痛みが残り、頭を両手で必死に押さえつけていた
「我らは優秀な兵士だ、ドラゴンなど何人も倒してる。恐れることは何もない!!」
「は、はい。すいませんでした」
と隊長の怒鳴り声が全体に響きわたりみんな呆然と立っていた。一人は除いて渋々と返事をしたまま隊長に謝ったのだ。隊長はフンと後ろへ振り返ってまた歩き出し、その後から兵士たちは前方へ進んでいた
「お、着いたぞ!」
「…!」
リーダーのかけ声とともに皆はタイミングよく止まり目の前にある森に視線を入れた。何やら不穏な雰囲気が漂っていたのである
「ぶ、不気味な森だなぁ」
「な、何か出そうだけど。大丈夫かな?」
「こ、怖いな〜」
「怯むなー!!行くぞ!!」
「は、はい!!」
吠える隊長の大声に兵士たちは森へ走って行った。タタタっと音を上げて木のを草ガサガサと払ってどんどん奥へ進んでいく
「さあ探せ!!どんなことがあっても絶対にドラゴンを逃がしてはならぬぞ!!」
との命令により兵士は手分けして探すことにし森中を細かく探し回った。だが洞穴などを探しても誰もおらず、何人のも見て探してるも動物は一人もいらずドラゴンなどどこにもいなかった
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