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Epilogue

「長、アイツ戻ってきませんね」

乾いた風が吹き付ける草原の大地で、一匹のハブネークがそう言った。

「まぁ、仕方ない。次に探させるやつを見つけないとな」

「そんなこといって、本当は邪魔なやつがいなくなって清々してるんじゃないですか?」

ニヤニヤと笑いながら、そいつは言う。
対する長は、「違いない」と答えていた。

「さて、そんなどうでもいいようなやつの話はおいといて、早く冬眠の準備に取りかかるぞ」

長がそう言うと、周りのハブネーク達は狩りに出かけ始めた。

これから訪れる、厳しい寒さに耐えるために、大量の食糧を確保するためだ。

「ハブネーク。せいぜい天国とやらで悔しがっていろ」

長は空に向かって、そう呟いたのだった。





「ねぇ、アイオライトって知ってる? 僕、それを探してるんだけど」

「あぁ、聞いたことがあるぞ。何でもロエフ・マウンテンの頂上に眠っているらしい」

どこかの街の小さな酒場で、小さなポケモンがそう聞いていた。

「ただ、取りに行くなら気を付けろよ。登山ももちろん大変だが、それ以上に頂上には大きな怪物がそれを守ってるらしいからな」

ニヤニヤと薄笑いをうかべながら、少し歳をとったポケモンが言った。

「どのくらい大きいの?」

「ん? あぁ、まぁお前だったら軽く一呑みだろうな」

「えっ! そんなにも? だったら、諦めようかな……」

おどおどしながら小さなポケモンは言う。

「いやいや、あくまで噂だからな。もしかしたら何もいないかもしれない。試してみる価値はあるんじゃないか?」

「……そうだね」

「さて、今日はそんな話はおいといて、パァッと盛り上がろうぜ」

「うん!」

騒がしい酒場に、ジョッキのぶつかり合う音が、鳴り響いた。
12/03/07 12:28更新 / ミカ
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