街はクリスマスで賑わっていた。
普段よりもキラキラに輝く街灯。
歩く人の数。
綺麗に飾り付けられたクリスマスツリー。
どれもみていて飽きのこない風景だ。
「なぁルカリオ。我輩はあれが食べたいなぁ」
「さっき食べたばかりじゃないか。それにあんな高いものは無理だ」
リザードンが指差す所には、表面をカリッと焼き上げ肉汁を閉じ込めたターキーがあった。
誰もが立ち止まるほど魅力的な食べ物なのは間違いない。
さらにそれは値が張るというのも間違いなかった。
「まぁ……。必要なものだけ買い揃えたら、少しクリスマスを楽しもうか」
ルカリオがそうリザードンに言うと、大きな竜は目を輝かせた。
この二匹が、どんな旅をしていくのか、それはまた別のお話。
オレンジ色の街灯に照らされて、エメラルドのペンダントが紅く輝いていた。
それを握りしめ、ルカリオは空を見上げる。
冬の澄んだ闇の空に、輝かしい星々が規則なく散りばめられていた。
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