時は、西暦50億23年。
太陽は寿命を迎え、膨張。それに巻き込まれ、地球は消滅した。
しかしそれまでに人類は宇宙のあらゆる場所に広がっており、一つの星を見つけ、
そこに第二の地球・・・「ニューアース」を作った。
この物語は、「ニューアース」から探査の為に出てきた
宇宙船内部で起きた、ある事故の物語・・・
「・・・ハウステラン、船体に異常はあるか?」
『異常。確認できません。』
「どういうことです、船長?何か分かりますか?」
「俺に聞くな!こんなのは全くもって初めてだ・・・」
彼らは、最近見つかったある星雲の調査に来ていた。
その星雲は、動き方がまるで生き物の様に目まぐるしく変わり、天文学者達を悩ませていた。
その調査に来ていたのだが・・・先程船体が急に揺れた後、突然船が進まなくなってしまったのである。
故障は確認出来ないのに・・・
「考えられる可能性としては、船体監視センサーの狂い、ハウステランの故障・・・」
「で、ですけど、ゼーベック社製の船ですよ!ハウステランも自己修復機能と、予備システムが有りますし・・・」
先程から彼らが言っている「ハウステラン」とは、この船・・・[ゼーベック 第58番調査船]に搭載された
船体管理システムのことである。
穴が空いた壁も自己修復するのが当たり前のこの時代、
管理システム、もとい、人工知能に修復機能が有るのは当たり前になっていた。
万一に備え、予備のシステムも備えて要るが、故障自体、まず有り得ないことなのである。
しかし・・・
「だが現に船は動いていない。これは明らかに異常だぞ。」
「・・・実際に見てこないと分からんな・・・」
『前方より、船と思われる信号を探知。』
「何!?何処の船だ!!?」
『不明。この船に接近しています。』
「この船に・・・接近・・・」
『前方の船より信号を探知。信号内容は解析不能。』
「解析不能だと・・・」
その時彼らは、誰一人として、この船が・・・既に謎の存在の手に落ちていることを、知るよしも無かった。
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「ククク・・・旨そうな奴らじゃねえか・・・」
「後少しよ、後少しで味わえるわ・・・だから我慢して。」
「早くあいつらの泣き叫ぶ声が聞きたいなぁ〜♪」
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