PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル

連載小説
[TOP][目次]
9
再び消化が始まってから数時間過ぎた。
森の湿った夜気の中、床についていた竜は、ふと自分の腹、ちょうど胃のあたりに耳をあてた。

眼を閉じると、伸縮する胃壁と粘液がからむ音や、自分の鼓動が聞こえる。
さらに耳を澄ますと、それよりもずっと小さな、自分のものではない鼓動。
また、竜の鋭敏な感覚は、胃袋に押しつぶされた獲物の小さな抵抗、
胃から腸に流れ込む、かつてドワーフの身体の一部だったものまで感じ取ることができた。

竜は満足し、首を戻した。ドワーフはまだ生きている。
楽しめるのはあと数時間くらいだろうか。子供の割にはよくもった方だった。

(これだからやめられん)

自分の体内で獲物が生きながら溶かされ、吸収されていくこの感覚が、竜は好きだった。
抵抗できない弱者が無理やり取り込まれ、肉のひとかけらも余さず自分の血肉と同化されていく。
うろこの一枚一枚、血の一滴一滴へと変わっていく。
これであの小僧は完全に俺のものになる。そう思い、生き物の命を丸ごと支配できた充実感に、竜は笑みを浮かべる。

御馳走様。

ドワーフが与えてくれた栄養と快感への礼をこめて、竜は小さくつぶやいた。
そして腹の中に感じる小さな鼓動が、目覚めたあとも続いていることを願いながら、目をつむった。

11/11/21 05:35更新 / ベンゼン
前へ

TOP | RSS | 感想 | 目次

まろやか投稿小説 Ver1.53c