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連載小説
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肉は肉に、脂肪は脂肪に【消】
 蒸し風呂のような熱気の中、ぷっくりと膨らんだ腹を天井に向けながら、メラメラと燃える焚き火の脇で大いびきをかくベロリンガ。そして驚くなかれ。時はブラッキーが全身の毛穴から毒素の混じった汗を吹き出してから数時間後。彼は悶え苦しむことはおろか、腹痛にさえ見舞われることなく安らかに眠っていたのである。
 理由は彼とブラッキーが食した干した木の実にあった。その正体はモモンの実。甘いものに目がない彼が愛してやまないそれは、どんな毒でも分解して無害化してしまう強力な薬用植物でもあり、ブラッキーが有毒のポケモンだと知っていた彼は、干したモモンの実を相手に勧め、万全を期すために自分も食べておいたのである。
 果たして作戦は大成功。空腹だったことも相まって、干したモモンの実を勧められるがまま食べてしまったブラッキーが最後に分泌した毒液は、単なる色の付いた汗も同然であり、僅かに残っていた毒素も、胃の粘液に触れるなり分解されたのだった。
 そんなことなど知る由もないブラッキーは、ベロリンガの大きな胃袋に強力な消化液を塗り込まれ、姿形を失い、今やドロッとしたスライム状の肉塊になっているという有様だった。まさに因果応報。残酷な虐殺者を待ち受けたのは、食いしん坊な山椒魚の腹の中で生きたまま溶かされるという屈辱的な末路だった。
 その後もグチュグチュと胃袋に揉まれ続けたブラッキーは、さながら湯煎されたチョコレートのようにトロトロと溶けていき、真夜中までには跡形もなく消化し尽くされて濃厚なスープになる。十二指腸で膵液と胆汁と混ざり合ったら、あとは腸の中で全てを搾り取られるのみ。栄養を吸い尽くされて搾りカスになり、老廃物を練り込まれて汚物になり、ちょうど良い硬さになるまで水分を吸い取られながら捏ね上げられ――ねっとりとした滑らかな大便へと変身を遂げる。その先で待っていたのは、前日に同じく大便と化していた妻のエーフィ。結腸の中で二匹は感動の再会を果たし、大きな一塊の糞になるのだった。
 こうして、丸々と肥えたブラッキーを完全に消化吸収し、おびただしい量の養分に変えたベロリンガだったが、もう栄養は十分に足りていたので、その大部分は肝臓で脂肪に代謝され、内臓の周りと皮膚の下に蓄えられることにより、彼を見事なまでにブクブクと太らせる。極度の肥満体になったことで汗と皮脂の分泌量は桁違いに増え、体臭も格段に強くなるのだった。
 ブウゥゥゥゥッッ!
 むせ返るような臭気に包まれた洞窟の中で、新鮮な大便と熟成された大便のアロマが豊かにブレンドされた屁を豪快にぶっ放すベロリンガ。とめどなく流れる脂汗で全身をヌルヌルのベトベトにしながら、彼は翌日の昼過ぎまで爆睡し続けたのだった。
24/08/11 07:18更新 / こまいぬ
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