閉ざされし部屋
輝は目を覚ました。
目がかすれ、よくは見えないが、明らかにさっきの道路でないことは認識していた。
薄汚れた白い床。
窓が開けられていないのか、よどんだ空気が部屋にこもっている。
しばらくすると、どこかで見たことのある服を着た男が輝の前に現れた。
あの黒い服は・・・フィフスセクターの服。
輝は自分の状況に気がついた。
フィフスセクターは確実に雷門サッカー部を潰すためにぼくを捕えたのだ。
みんな、捕われたのだろうか?
輝は不安と恐怖に体を縮込ませる。
「気がついたようだな、雷門サッカー部の影山輝」
輝は返事はしなかった。
フィフスセクターのあの目を見るのが嫌でしょうがなかった。
あのとりつかれたような・・・。
「君たちはやりすぎた・・・これ以上我々にはむかう者には、消えてもらわねばならない」
「っ・・・!」
輝は体を震わせながら持ち上げ、立ち上がった。
なぜ立ったのかは自分でもわからない。
おそらく彼らに対する憎悪と怒りによるものだろう。
しかし輝の足は、今にも倒れそうなほどに震えていた。
「そんな哀れな君たちのために良い死に場所につれて行ってあげよう」
輝は男達に背中を押され、無理矢理歩かされていく。
そんな・・・死ぬなんて、そんなわけ・・・。
本当に自分は死ぬのか―――。
何故死ななければならないのか―――。
頭の整理がつかないまま、刺激臭の強い広間に出た。
「うっ・・・」
刺激臭の強い薬品をぶっ込んだようなツンとくる生臭い臭いが、広間に濃く充満していた。
ある意味毒ガス。
そして、男達にその広間に押し出され、男達は密閉と思われる扉へと行ってしまった。
すると、スピーカーのような機械から、無機質な声が聞こえる。
『ようこそ、<死の籠>へ。酷い臭いだろう?その源は、君の目の前にいるだろう・・・』
輝は言われるがままに前を見る。
すると、蠢く何かが、いた。
緑色の壺状の怪物。
それはズズ・・・ズル・・・と、気味の悪い音を出しながら、緑と茶の混じった液体を薄汚い床に残していく。
「うわ・・・やだ、やだあっ!!」
ここに来たまともな声を出したが、なんにも嬉しいことはない。
生臭い空気と緑色の怪物の恐ろしい形状が、輝の恐怖を満たす。
「こ、来ないで・・・来ないで・・・」
まるでパニック映画のお決まりのセリフを言うのだが、それを言うほど寄ってくることなど襲われる寸前の者には考えることはできないだろう。
『そいつはライクライク。フィフスセクターが開発した実験生物だ。そいつはひどく貪欲でな。何か食わないと気が済まないのだ』
輝は腰を抜かしたように、ぺたりと座りこむ。
しかし恐怖によって、もう立ち上がることはかなわなかった。
そしてついに緑の怪物―――ライクライクが目の前にまで迫る。
緑と透明の液が混じった唾液をボタボタと落とし、床が汚れていく。
そして口と思われる場所を、ガパリと広げた。
「ひ、あ・・・・やっ・・・」
恐怖に涙を流しながら、叫ぶ間もなく、生臭い口で頭をかぶりつかれた。
汚い唾液が床を汚していった。
目がかすれ、よくは見えないが、明らかにさっきの道路でないことは認識していた。
薄汚れた白い床。
窓が開けられていないのか、よどんだ空気が部屋にこもっている。
しばらくすると、どこかで見たことのある服を着た男が輝の前に現れた。
あの黒い服は・・・フィフスセクターの服。
輝は自分の状況に気がついた。
フィフスセクターは確実に雷門サッカー部を潰すためにぼくを捕えたのだ。
みんな、捕われたのだろうか?
輝は不安と恐怖に体を縮込ませる。
「気がついたようだな、雷門サッカー部の影山輝」
輝は返事はしなかった。
フィフスセクターのあの目を見るのが嫌でしょうがなかった。
あのとりつかれたような・・・。
「君たちはやりすぎた・・・これ以上我々にはむかう者には、消えてもらわねばならない」
「っ・・・!」
輝は体を震わせながら持ち上げ、立ち上がった。
なぜ立ったのかは自分でもわからない。
おそらく彼らに対する憎悪と怒りによるものだろう。
しかし輝の足は、今にも倒れそうなほどに震えていた。
「そんな哀れな君たちのために良い死に場所につれて行ってあげよう」
輝は男達に背中を押され、無理矢理歩かされていく。
そんな・・・死ぬなんて、そんなわけ・・・。
本当に自分は死ぬのか―――。
何故死ななければならないのか―――。
頭の整理がつかないまま、刺激臭の強い広間に出た。
「うっ・・・」
刺激臭の強い薬品をぶっ込んだようなツンとくる生臭い臭いが、広間に濃く充満していた。
ある意味毒ガス。
そして、男達にその広間に押し出され、男達は密閉と思われる扉へと行ってしまった。
すると、スピーカーのような機械から、無機質な声が聞こえる。
『ようこそ、<死の籠>へ。酷い臭いだろう?その源は、君の目の前にいるだろう・・・』
輝は言われるがままに前を見る。
すると、蠢く何かが、いた。
緑色の壺状の怪物。
それはズズ・・・ズル・・・と、気味の悪い音を出しながら、緑と茶の混じった液体を薄汚い床に残していく。
「うわ・・・やだ、やだあっ!!」
ここに来たまともな声を出したが、なんにも嬉しいことはない。
生臭い空気と緑色の怪物の恐ろしい形状が、輝の恐怖を満たす。
「こ、来ないで・・・来ないで・・・」
まるでパニック映画のお決まりのセリフを言うのだが、それを言うほど寄ってくることなど襲われる寸前の者には考えることはできないだろう。
『そいつはライクライク。フィフスセクターが開発した実験生物だ。そいつはひどく貪欲でな。何か食わないと気が済まないのだ』
輝は腰を抜かしたように、ぺたりと座りこむ。
しかし恐怖によって、もう立ち上がることはかなわなかった。
そしてついに緑の怪物―――ライクライクが目の前にまで迫る。
緑と透明の液が混じった唾液をボタボタと落とし、床が汚れていく。
そして口と思われる場所を、ガパリと広げた。
「ひ、あ・・・・やっ・・・」
恐怖に涙を流しながら、叫ぶ間もなく、生臭い口で頭をかぶりつかれた。
汚い唾液が床を汚していった。
12/01/08 23:23更新 / ねじゅみ