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連載小説
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ぐぱっ……どちゃどちゃ……


透明ではあるが高い粘性の粘液とともに月華が吐き出された。
喰われたのが余りにも突然だった為に
その粘液を大量に飲んでいた。
「げほっ、げほっ……」
粘液に塗れながら喉を手で支え、何度も咳き込んだ。
飲んでしまった粘液をあらかた吐き出し、月華は目を疑った。
真っ黒の空間に縦に長い長方形の鏡を球体上に張り詰めたような空間。
その鏡達は妖しく銀の光を放ち、月華の姿を映し出す。
「こ、ここはっ……?」
「鏡世(かがみよ)。その名の通り、鏡の世界」
あの声だった。
月華をこの鏡世に引きずり込んだ際に耳が捉えた声。
体を反転させる形で振り返る。
またもや、月華は目を疑う事となる。
妖しい輝きで月華を見据える一対の碧玉。
だらだらと涎を垂らす、純白の舌。
白の毛皮に身を包んでいるものの、体の内側が半透明……
中の様子が軽くではあるが見る事が出来た。
かといって、内蔵のようなグロテスクなものは確認できなかった。
明瞭に特異な体。
異様なその存在は、狼のようにも見えた。
「私はガレイド。やっと逢えたな小娘」
柔らかい物腰を感じさせるが、
その目は獲物を手中に収めた悦びを零していた。
「私はお前を数十年もの間、鏡世から目を付けていた……だが、私は鏡世の住人。簡単には手を出せん。しかし、どうだ? 小娘自ら現世と繋いでくれるとはなぁ……」
ガレイドが嬉しそうに、じっくりと粘液の舌を頬に這わせる。
ただ、恐怖の余りに抵抗すら出来ず、少し身を捩らせるだけだった。
ここ、鏡世は現世つまり現実世界とは隔離されている。
しかし、ガレイドが言うように鏡を通じて現世と鏡世は繋がる事が出来る。

それが……合わせ鏡。

髪型を整えようとした際の形見の鏡。
偶然ではあったが、それが合わせ鏡となり
現世と鏡世を繋いでしまった。
「小娘があまりに美味だったからな、咥え込んだらつい、呑み込んでしまった」
にいっ、と邪な笑みを浮かべるガレイド。
月華は体を激しく震わせた。
この狼は人間を喰らう。
理由はそれだけで十分だ。
危機を本能が悟った。全神経を咄嗟に反応させ
体を後退させようとする。
「ふふ……無駄だぞ」
柔らかく体を押し付け、自由を封じる。
それどころか、かちっ、とガレイドが空を噛んだ。
その音に一拍置いて、月華の就寝着が赤の法衣に瞬間で変化した。
「ようこそ、赤ずきんちゃん?」
喉を嬉しそうに鳴らし、月華の耳たぶを甘噛む。
恐怖にはない甘い感覚に襲われ、月華の体が跳ねる。
その喘ぎを切っ掛けにガレイドが責め始める。
首筋を重点に責め、何度も喘がせる。
月華がそれに流され、喘ぐ度にガレイドは悦びを零す。
「お前はあまり抵抗しないのだな。数日前に喰ったやつは死に物狂いで暴れたがな」
「数日前っ? ま、まさか……」
「会社というとこだったか? お前の隣にいた奴だ。あの時点で私に気付いたからな……不運だが、繋がった際に喰わせてもらった」
ーこれからお前もそうなるんだー
とでも言いたそうに、舌舐めずりを見せつける。
「んんんっ!!」
この言葉で月華は現実を突き付けられた。
少々、ガレイドの口に乗って快楽を享受していたが
最終的には喰らうつもりなのだ。
素直を喘いでいる訳にはいかないのだ。
「何、苦しくないさ」
しかし、月華の抵抗は時を過ぎていた。
頭から一気に咥え込み、月華を喰らってしまった。
12/03/03 16:15更新 / セイル
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