Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!

連載小説
[TOP][目次]
6−
その時だった。バンギラスの体を、同じようにゴツイオレンジ色の腕が締め付けた

「なにしてんだ? バンギラス」

「ゲッ! リ、リザードン!」
嫌な汗をかくというのは、まさにこういうことなのだろう。バンギラスは、焦った表情を隠すことが出来なかった

「俺の陣地で好き勝手やってもらうと迷惑なんだよね」

ニヤニヤと楽しそうに、しかしどこか不気味にリザードンは笑っていた

「何のこ――うっ!」

バンギラスが最後まで言い終わる前に、リザードンは更にバンギラスを締め付ける

「じゃあこの中で動いてるのは何な訳?」

リザードンが締め付けている場所の少し上で、小さな膨らみが、何やらごそごそと蠢いていた

「これは……その」

「……吐き出せ。今すぐにだ」

「はっ? 何言って……」
次第に強めていた締め付けを最大限に強めた

「ガッ! ……グ……ェ」

腹の膨らみが先程とは反対向きに進み始めた

腹を伝い、喉を逆流し、その膨らみは口に達して

「グッ! グェッ……」

ドチャと惨めな音と共に、先程飲み込んだブイゼルを吐き出した

「ゲボッ! ハァ……ハァ……。ひ、酷いぜ、リザードン」

「これに懲りたら、もう下手なマネはしないことだな」

ジロリと真っ赤な目で睨みつけながら、リザードンは締め付けていた腕を離した

「クッ……今日は、大人しく引き下がってやるよ」

そう言って、バンギラスは覚束ない足取りで森の中へと入っていったのだった

リザードンは体液でベタベタになっているブイゼルを持ち上げ、川で丁寧に洗った

その時にブイゼルが冷やしていた実を見つけたらしく、川から引き上げ、一つにかじりついた

(コイツも災難だったな)

シャリシャリと実をかじりながらも、リザードンの口からは、果汁とは別の液体が垂れていた

(……目を覚ましそうにないな。仕方ない)

残りの果実の欠片をひょいと口に放り込むと、ブイゼルを再び持ち上げ、大きな翼を広げた

バサバサと、翼をはためかせる様は、まさに『威風堂々』という言葉が当てはまるようだった

そして次の瞬間、リザードンは地面を強く蹴りあげ、真っ青な空へ飛び出したのだった
11/11/25 23:31更新 / マタタビ
前へ 次へ

TOP | RSS | 感想 | 目次

まろやか投稿小説 Ver1.53c