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連載小説
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2−
眩しい朝の日差しが目に突き刺さる

昨日の夜の大雨が嘘のように、頭上には澄みきったスカイブルーの空が広がっていた

ベッドに横たわっていたブイゼルは、カーテンを閉めることを忘れていたことに後悔しながらゆっくりと起き上がった

布団から出ると少し肌寒い空気を感じ、また布団に戻ろうかと思ってしまう

しかし、今日はやらなければならないことが山ほどある。彼の性格上、次に持ち越せばまた更に後回しにしてしまうだろう

自分でもよく分かっていても、なかなか実行に移せないのが現実である

「まぁ、仕方ないか……」

なんとか欲を抑えつつ、ブイゼルは朝の支度に取り掛かったのだった

いつものように軽い朝食を食べ、歯を磨き、毛繕いをする

オレンジ色の美しい毛並みは太陽の光で輝いて見える。唯一他人に自慢できることが、これだった

ただ最近では、主に薪割りや水汲み、更には食糧を確保する為に森の中を駆け回るなど、体力的な仕事――という名の生存活動――を強いられているので、あまり毛並みのことを考えてはいられない

それでも週に一回くらいは、こうやって贅沢に油を使って毛繕いをするのも悪くない

何しろ、これが楽しみで毎日頑張れるような感じだった

そんな楽しい時間はあっという間で、気がつけば時計の針は十分も進んでいた

「やばい、今日は忙しい日なのに……」

まるで夢から覚めたかのように、ブイゼルはハッとして急いで玄関に向かう

そして取っ手に手を掛け、勢いよく扉を開く。朝の冷たい風に少し怯むものの、ブイゼルは気持ちのよい外の世界に飛び出したのだった
11/11/25 20:47更新 / マタタビ
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