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連載小説
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1−
いつからだっただろう。世界がモノトーンに見えるようになったのは……

吹き荒れる乱暴な風にあおられて、“ザザザッ”と辺りの木々が悲鳴をあげていた

空は分厚い雲に覆われ、星の光はおろか、月の光さえも届かず辺りは澄みきった闇に包まれていた

雨が降りだすのも、時間の問題だろう。唯一の明かりである自らの尻尾を大事そうに抱え、その先から穏やかに燃えている炎に少し触れる

オレンジ色の優しい炎の光は、この闇を照らすのには少し無理があった

せめてもう一つ、光があれば……。そう考えて、すぐに首を横に振る

それは自分には許されないこと、実行すればどれだけ相手が傷つくか、それは自分自身がよく知っている

『竜に友達は必要ない』幼き頃言われた言葉が脳裏に浮かび上がる

自然と、尻尾を握っていた手に力が込められる

気がつけば、真っ黒な空から冷たい雨が降り始めていた

リザードンは巣穴の外の世界に背を向け、奥へと歩いていった

背後では、雨がリザードンをののしるかのように激しく降り始めていた
11/11/25 20:47更新 / マタタビ
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