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連載小説
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第六話
「く、食われるなんて嫌だ!!!!」

その恐ろしい表情を見て本田は我に戻り、逃げだそうとした

「往生際の悪い奴でありんすね」

妖狐が本田に乗せている黒い毛皮に覆われた前足にぐっと力を込める

その際に黒い足から鋭利な白い爪が飛び出し、本田の体に食い込んだ

そして少しずつ妖狐は前足に自身の体重をかけていく

ゆっくりと…相手をじわじわと苦しめるように…

「ぐぁ…や、やめてくれっ…あ゛ぁぁぁ!!!」

妖狐が力を入れ始めてほんの数秒。ボキッと鈍い音がし、本田は悲鳴を上げた

その後も続けざまに鈍い音が響く

爪も制服を突き破り、小さな紅い染みを作っていた

このままいけば間違いなく体が潰れてしまう

そう思った本田は脱出を図ろうと、まだ動く腕で妖狐の足を叩いた

しかし相手は巨大な妖怪で本田はただの人間。力で勝てる相手ではない

それでも抵抗し続ける本田に妖狐はまた不適な笑みを浮かべた

「愚かな人間でありんすね、その力がなくなるまで苦しめてあげんす」

妖狐の四本の尾が一斉に伸びてき、本田の四肢を縛り上げる

苦痛に顔を歪める本田を侮蔑の笑みを浮かべながら見下し、残っていた一本を本田の首に巻き付けた

そして徐々に力を加えていく…

「くっ、苦し…ぃ…」

「まだまだこれから…」

すると妖狐は本田を高く掲げるように持ち上げ、手足に巻き付けていた尻尾に力を込める

本田の顔を一瞥し、それぞれ違う方向へ引っ張り出した

「あ゛ぁっ!!いっ…た…ぃ…」

悲鳴を上げようにも首の締め付けもあって、声は出にくくなっていた

「さっきまでの威勢はどうしたんでありんすか?男の割には脆いもんでありんすねぇ?」

子供…本田から見れば悪魔の様な笑みを浮かべていた

妖狐がその気になれば、このまま本田の体をバラバラに引き契ることは容易であろう

そう、妖狐は弄んでいるのだ


12/03/12 13:51更新 / どんぐり
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