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連載小説
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第五話
白色の中に赤い肉が露にされていく
固く閉ざされていた牙の門が、銀線を引きながら開かれた
優しい表情を浮かべるシロとは裏腹に、口内は食われる側からしたら恐ろしいものだった

ぐちゅぐちゅと唾液をかき回す舌、奥で忙しく動く喉の様子が鮮明に写し出される
南沢は短く声を漏らし、口内に見入っていた

「こ、この中に…うわっ!?」

赤い絨毯のような舌が伸びてきて南沢に巻き付く
そして彼を口内へと引きずり込んだ

蒸し暑く、生臭さい龍の口内
南沢は四つん這いの体勢で舌の上にいた
先程より濃厚な龍の吐息が全身にかかる
熱を帯びた息に目を瞑った瞬間に舌が大きくうねり、彼を舐め上げた 


べろぉ、ぐちゅっ、にちゃにちゃ…くちゅくちゅ…


「んぁっ!//や、やめろぉ……そんな所…んん///」

突然の不意討ちに彼は情けない声を漏らした
舌はそんな彼の言葉は無視し、執拗に彼を舐め回した
その度に粘着質な音が谺し、下顎に溜まっている唾液がかき混ぜられ、泡を立てていた

満遍なく唾液を塗られ、数分もしない内に南沢は全身唾液まみれとなってしまった
彼は舌に翻弄され続け、気がついた時には巨大な舌にしがみつくように抱き着いていた
その事に顔が紅くなり熱を発する

「……(な、何で…食べられてるはずなのに…」

動揺している南沢を舌がまた舐め回す
艶のある喘ぎ声を零し、奥を見つめる
喉が南沢を呑み込みたいと伸縮していた
そこに足元からジワッと出てくる唾液がジュルルッと音を立てて奥へと消えていく

あの奥に待ち構えているのは胃袋
獲物を消化する為の場所
恐ろしい場所であるはずなのに、南沢は入りたいと思い始めていた

シロと一つになる
そう思っただけで彼の心に暖かい感情が流れ込んできた

それに気づいたのか舌に傾斜がつく
気づいた時には南沢の体は肉洞の入口まで滑っていた
ぐにゅっ、と喉肉に顔が突っ込む
舌とはまた違った柔らかさに再び快楽を味わっていた

下半身には舌が這い、最後の最後まで味を搾り取ろうとしていた
喉肉の蠕動で少しずつ体が落ちていく
シロの喉には巨大な膨らみが出来ていた


…ごくっ…


その嚥下音と共にシロの喉の膨らみが、ゆっくりと下に移動していった


12/06/01 20:13更新 / どんぐり
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